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俺の表情で察したのか、ご機嫌そうにさらに体重をかけてくる。







『まさかどくん、あたしの顔好きよなあ』

「…好きやけど、べつに顔だけちゃうよ」

『しってる、あたしに甘いもん』






甘い?そんな自覚ないけど。



俺の太ももにAの足が重なって、完全に友人の距離じゃなくなった。






「Aさん」

『はい』

「ご機嫌さんやな。近ない?」

『近いな。いや?』

「嫌やないよ」

『よかった』






にこにこ。

そうちゃうねんなあ。嫌じゃないけど、そうじゃないねん。




Aの腰に回した手は、危なげな体幹を支えようとしただけ。変な体勢やし、酔ってるし。








「もー、俺何するかわからんで?」

『…まさかどくんて危機感ないよなあ、』

「は?」

『あたしに何されるか分からんよ?』

「…………考えもせんかったわ」








まさかと思うけど、そんなこともあるんか、?








『部屋押しかけて、お酒飲ませてんの、あたしやからな?』

「まあ、せやけど…」








吐息は熱くて、するりと俺の頬を撫でるAの指は冷たい。







「てか手冷たない?」

『あっためてー』







けたけた笑うAはどこまで本気なんか。


とりあえず膝の上に乗せたのは、冷えた体をあっためるためってことでいい?


視線がまっすぐ交わる、…あ、あかんわ、もう。







「お客さんの前に立った後って興奮すんねん、…分かるやろ?」

『うん、めっちゃ。なんなら、』

「Aの方がひどいよな。いつも」






ライブでアドレナリンが出まくった後、いちばん態度に出るのはA。


酔ってるみたいにふらふら歩いて、誰にでもへらへら絡みに行くから、合同ライブの時なんか気が気じゃない。


こじけんや大晴なんかは独占欲強いから、たいていAの肩に腕を回して歩いてる。






『まさかどくんの体すき、』

「体?」

『ぶあついやん、がっちり』






かっこええ、と背中を撫でられる。

あかん、今の、ぐっときた。

けどもう隠さんでええか。






雰囲気にのまれるダメな大人。

唇を合わせて体を重ねても、俺らの関係は何も変わらん。





『…まさかどくん、ひげ痛い』

「宿命や、我慢しい」

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はに(プロフ) - kkさん» わ~嬉しいですありがとうございます🥲思う通りに全然表現できなくて、伝わらないかなあと思いながら書いてたので本当に嬉しいです🥹🎀そこの関係性はもっと深くなる予定ですし、他にもでしゃばってくる予定です🌟ありがとうございます (11月9日 21時) (レス) id: 8b923b9c56 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - はに様の更新を最近の楽しみにさせて頂いてます❤︎メンバーとの絶妙な距離感(特に💙や❤️)がめちゃくちゃ大好きです❤︎これからも更新楽しみにしています🥹💕 (11月9日 10時) (レス) id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はに | 作成日時:2023年10月11日 20時

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