. ページ15
「どんくらいおらんの？」
『んー？…いちねんくらいかなあ』
一年前っていうと、自粛の時くらい？
「なんで別れたん」
『んー…フラれてん』
「…ほんまに？」
衝撃。
「うそやろ？」
『うそちゃうし』
「Aを振るヤツなんておんの？」
『おるよ』
いじけたように俺のパジャマの裾をいじいじしてる。
まさかうちのお嬢が、なんて思うけど、この反応ほんまっぽいな。
Aのことはよく知ってる。
誰にでも優しくて、面倒見がいい。
とんでもなく我慢強くて、どんな意見も受け止める強さがある。そのうえで最良の選択をする、理性的な人。
でもきっと、それはグループのために頑張っているだけで。
ほんまは寂しがり屋の甘えん坊で、好きな人には犬のように懐いてる。
俺らには見せへん顔がある。
やから、Aについて分からんことは多い。
たとえば今、その話を聞いてほしいんか言いたくないんかとか。
「…引きずってんの？」
『まさか』
けたけた笑ってるAの本心なんて俺には分からんし、多分その元彼すら知らんのやろな。
晶哉はAのことを簡単やと言うけど、あいつには何が見えてるんやろう。
誠也くんのようにぶつかれるわけでもなし、俺にはAが分からん。
「どんな人やったん」
『えー…まさかどくんの方がいい男やったよ』
「じゃあなんで好きなったん？」
『そんな聞く？おもんないで』
分からんから、気になるんよなあ。
人間の本能ってやつ。
「こっちおいで」
『ん？』
「座って」
背中を持ち上げて起き上がらせて、隣に座らせる。
触れている腕と足は熱くて、でもお互い離れようとしない。
『いややった？ひざまくら』
「いやちゃうけど、こっちの方がいい」
垂れた眉、潤んだ双眸。
絶対分かってやってる、素が出てるだけやろうけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 557人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はに(プロフ) - kkさん» わ~嬉しいですありがとうございます🥲思う通りに全然表現できなくて、伝わらないかなあと思いながら書いてたので本当に嬉しいです🥹🎀そこの関係性はもっと深くなる予定ですし、他にもでしゃばってくる予定です🌟ありがとうございます (11月9日 21時) (
レス) id: 8b923b9c56 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - はに様の更新を最近の楽しみにさせて頂いてます❤︎メンバーとの絶妙な距離感(特に💙や❤️)がめちゃくちゃ大好きです❤︎これからも更新楽しみにしています🥹💕 (11月9日 10時) (レス) id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はに | 作成日時：2023年10月11日 20時
