2021.5 ページ13
［めちゃめちゃ良かった。今日一瞬でいいから会いたい。ホテルどこ？］
正門くんの舞台初日、偶然にも東京でお仕事があって、見学に行くことができた。
楽屋挨拶をする間も無く、開演ギリギリに座って、終わってすぐに仕事やったんやけど。
［俺がそっち向かおか？終わったら連絡して］
はやく、はやく。
はやる気持ちで電話をかける。
《A？おつかれ》
『いまどこ？』
《いまホテル、俺行くで？》
『あたし行く、ホテルの場所送って』
********************
「どしたん、あれどういう意味？」
ホテルの部屋に入ってすぐ、わたしに異変を感じたのか、背中に手を添えられる。
『…正門くんの匂いじゃない』
「匂い？…ああ、しばらくアメニティ使ってるから」
こんなんじゃなかった。
正門くんの匂いって、どんなんやっけ。
見慣れたはずの顔をじっと見上げる。
「なによ、さっきからどうしたん」
『…舞台の上、』
声が震える。
ちかちかした。ストーリーが進むにつれ、少しずつ増した焦燥感。
スプレー缶を振り上げる表情は、その腕は、動きは。
『正門くんがおらんくて、怖くなってん。どこ行っちゃったんやろうって』
じっとこっちを見つめる正門くんは、もうただの正門くんなんかな。分からへん。あたしの知ってる正門くんは、こんな顔してたっけ。
『んで、会われへんまま仕事やったから』
「うん」
『あんまり集中できんかった…正門くんおるって、確かめんと』
「俺じゃなかった？」
『分からん、…分からんくなった』
いつまで正門くんやった？今は？
『今も正門くんの匂いじゃない、嫌や』
「、なによ」
ぎゅっと抱きしめられて、首筋に顔を埋めると少しだけ安心できたけど。
『…ごめん、感想言われへんくて』
「ええよ、じゅうぶん伝わってる」
「Aをそんだけ掻き乱せるほど、いい演技できたんやな」
『、』
あたし、あの役嫌や。そんなこと、言えるはずもなく。
『なあ、まだ足りひん』
「どうせえっちゅうねん」
腕の中から顔を見上げると、眉尻を下げて唇を尖らせていて。
あ、その顔。しってる。まさかどくんや。
「…もう一部屋とっとくから、風呂入っといで。荷物そんだけ？」
『！うん！』
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はに(プロフ) - kkさん» わ~嬉しいですありがとうございます🥲思う通りに全然表現できなくて、伝わらないかなあと思いながら書いてたので本当に嬉しいです🥹🎀そこの関係性はもっと深くなる予定ですし、他にもでしゃばってくる予定です🌟ありがとうございます (11月9日 21時) (
レス) id: 8b923b9c56 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - はに様の更新を最近の楽しみにさせて頂いてます❤︎メンバーとの絶妙な距離感(特に💙や❤️)がめちゃくちゃ大好きです❤︎これからも更新楽しみにしています🥹💕 (11月9日 10時) (レス) id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はに | 作成日時：2023年10月11日 20時
