2019.2 ページ7
春松竹のポスターが公開された。
いつもはおらんあたしの姿に、どれだけの人が驚いて、落胆したんやろう。
きっとジュニアもファンの人も、進められる組閣を、肌で感じてる。
結成発表まで、あと少し。
「Aちゃん、編曲ってしたことあります？」
『やーないなあ…今躓いてんの？』
「はい。横山くんに相談しよかなあとも思ってるんですけど」
晶哉が見せてくれたパソコン画面には見慣れたソフト。
でも、あたしのんとは比べ物にならない複雑なメロディと、楽器の数。
『編曲なあ…できる気しーひんわ。私が作る曲なんてビートだけやし、たいした事ないもん』
「何言ってるんですか、十分すごいですよ」
1を10にするのは好きやけど、0から1を生むのは苦手で。
自作曲やって、サンプリングしてきたメロディを編集して、楽器を少し乗っけたくらいのもの。
カーソルを動かして、勝手に再生する。
『…すごいなあ、晶哉。ほんまに。』
「いいですか？」
『もうめちゃめちゃ良いよ。すごい。正直、歌詞乗っけやな感想はむずいんやけど…でも、絶対この曲好きやわ』
「うわ。Aちゃんに言われると嬉しいっすね」
『あたしに作曲の才能は無さそうやあ…』
「ええ？俺より経験あるくせに」
けたけた笑う晶哉が可愛い。
頭わしゃわしゃ〜ってしたくなる顔してる。
『編曲は横山くんに相談やなあ』
「誰か紹介してもらえますかね」
アイドル曲、いつか作れるようになりたいけど。
しっとりバラードや明るくポップなメロディはどうしても思い付かん。
そもそも、そんな事より目の前の問題が多すぎる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はに | 作成日時：2023年6月19日 13時
