Wellcome to the !!!!!!!18-20 (ページ25)

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2020.2 ページ25

「ずっと考えてたんやけど」

『うん』

「…別れよ」

『…うん』

別れようと言われたら、素直に頷くと決めていたから。
深呼吸した、泣かへんように。

「…なんでか聞かへんの？」

『…うちらが別れる理由なんて、いくらでもあるやろ』

「…ごめん」

『大丈夫、…なんで謝るん』

裏道ばかり走り続ける真っ暗な車内は、泣きそうな顔を隠すのに好都合。

でも、ふたりで会うのはこれが最後なんやと思ったら、ちゃんと顔見たいなあ。

『なんか…決定打があったわけ？』

「…彼女すら守られへんの、…嫌やわ」

言葉が詰まって、何も出てこなかった。

そっか。そうよな。

あたしはこの人を、ずっと傷付けてたんやな。

もっと愛されるようになるから、きっとデビューして人気になるから、やから待ってて。

言いたいけど、理由はこれだけじゃないんやろうな。

「これ、誕生日プレゼント」

『…用意してたん？』

「うん。…貰ってくれる？」

大事にされてたな。多分やけど、彼にしてはよっぽど。

あたしのこと、嫌んかったかな。

『ありがとう。あたしも持ってきたで』

これが、最後か。

『おめでとう』

「ありがとう」

震えた声は、多分誤魔化せた。

泣いたら困らせるから。

笑顔で、友達に戻ろ。