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僕の彼女 【メリーバッドエンド】【心】 ページ3

僕にはAという彼女がいる。


初めて会ったのは、Aが6歳の時。

Aが僕の世界にやってきた時だ。


「やあ!君はアリスかい?」

「?私はアリスじゃないわ。Aっていうの」

「A!いい名前だね。ようこそワンダーランドへ!」


Aはにこにこと笑っていて、僕の手品を見てすごいすごいと拍手を送ってくれた。


 

初めてキスをしたのは、Aが10歳の時。

僕がAに好きだというと、私も好き、と言って彼女からしてくれたのだ。

僕は嬉しくて舞い上がっていた。


 

Aは毎日のように僕の所に来てくれた。

僕は嬉しくて嬉しくて、何度も彼女にハグやキスを送った。


 

Aが病気になったのは、Aが15歳の時。

もう治らないのだという。

Aがこの世界に来る回数も徐々に減っていった。


「ずっとベッドで寝ているんだけれど、何故かこの世界に来れないの」

「…僕は待っているよ」

「…うん」


彼女は少しずつ痩せているようだった。


 


一か月ぶりにAがワンダーランドに来た。

彼女は最初は笑っていたけれど、僕と話しているうちに泣いてしまった。


「どうしたんだい」

「お別れを言いに来たの」

「…なんだって?」

「もうこの世界に来れなくなるわ。私、もうすぐ…」


Aが何を言おうとしているのかはすぐにわかった。でも、わかりたくなかった。

もう会えないなんて、そんなの嫌だ。

ここはワンダーランドだ。

悲しみなんてあっていいはずがない。

Aとやりたいことがまだまだたくさんあるんだ!


「迎えに行く」

「え?」

「迎えに行くよ、必ず。君はこの世界の住人になるんだ」


僕は魔法を使ってワンダーランドを飛び出して、Aの世界へ行った。

Aはすぐに見つかった。

病院の小さな個室のベッドの中。

瞳を閉じて、浅い呼吸をしている。元気がない。


「かわいそうに、今自由にしてあげるね…この世界から」


僕は右手に処刑用の斧を握る。

斧は綺麗な弧を描いて、Aの首に落ちていった。


 


「女王様!新しい仲間がいるんです!紹介してもよろしいでしょうか?」

「おや、ジャックハート、どんな奴だい?礼儀はなってるんだろうね?」

「もちろん!さあ、おいで!」

「まあ!女の子だ!」

「はい女王陛下、初めまして、Aといいます」


Aは赤いドレスを着て笑っていた。

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白い屈み(プロフ) - 全部の話がとても面白くて好きです!アップルポイズンの話は、本当にヴィランだな、と思いました。エイトフットのはしゃぎ様がとても可愛かったです… (2018年1月8日 20時) (レス) id: 5532ecd73c (このIDを非表示/違反報告)
スクリーマー(プロフ) - ヤタガラスさん» ご指摘ありがとうございます。見えにくいかもしれませんが、漢字が鳥(トリ)ではなく、烏(カラス)になっているんです。鳥と烏はめっちゃ似てるんで自分でもトリって読んじゃいます。どうにかして改善させたいですね・・・。コメントありがとうございました! (2016年9月20日 18時) (レス) id: 2bba69c7c1 (このIDを非表示/違反報告)
ヤタガラス(プロフ) - マルフィは、カラスですよ? (2016年9月19日 6時) (レス) id: a448b6951f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スクリーマー | 作成日時:2016年4月23日 22時

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