蝉の両片思い

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俺は大切な人を泣かせてしまった



Aは怒っていたけど

ほんとは
悲しかったんだと思う


あいつが俺に憧れを持っているのは
とっくの昔から知ってる


憧れていた人が
レギュラーから落とされたんだから
裏切られたも同然か




Aは俺のこと嫌いになったかな





あぁ、最悪だ、俺


伝える前に縁切れるとかどんなだよ！







「なになに〜？英太くんどったの？振られちゃった〜？」



傷心に浸っていると

天童がなんかニヤニヤしながらよってきた


ほんとゲスいなこいつ



「なんでもねぇよ！
ほら練習すっぞ」


「えー、英太くん！」


「白布、お前、さっきの試合若利にトス集めすぎ！若利のペース考えろよ！」


気づいたことを白布にいうと

「ぇ、あ、はい。わかりました」

なんて無表情で言ってくるもんだから更に腹が立つ


「かぁいくねぇー!!!!!!!」


「あ、はぃ、どーも」


「褒めてねぇよ！」


ったく、こいつは日に日に可愛いくなくなっていく



「Aにもよく言われます」


へぇ

あいつもそんなこと言うのか


「Aは相当、瀬見さんをリスペクトしてるみたいですね。……まぁ、それだけじゃないのかもしれないけど」


「は？」


それだけ言うと白布は若利のところにトス上げに行ってしまった


それだけじゃないって



どういう意味んだろうか




そんな曖昧なぼやかし方をすれば

期待してしまう

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