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満員の電車はいつもは頼まれても乗りたくないけど、今回ばかりはその電車に乗れたことに感謝した。
「うわーーーーーー!!!めっちゃ久しぶり!!」
「俺も、小5以来かも」
「瀬見さーん!!見て見て!!タカアシガニだって!!茹でたらおいしいかなぁ??」
「www走ると危ねぇぞ!!ってか、展示物を食おうとしてんじゃねーよww」
「マンボーいる!!」
テンションの上がった私は何を思ったか、、、いや、何も考えてなかったのか
瀬見さんの手をつかんでマンボーの水槽に飛びついた。
「・・・あ、ごめ」
「いいから離すな。迷子になっても知らねーからな」
「・・はい」
繋がれた手に熱がこもる。
嬉しかったが、手汗掻いたらどうしようと気が気ではなかった。
でも少しだけ変に上がってたテンションが落ち着いた気がした。
キラキラ輝く水槽はまるで宝箱
二人で並んでここの水族館で一番大きな水槽をボーっと眺める。
今彼はいったい何を考えているのだろうか。
チラッと隣に立つ彼を一瞥した。
「俺、正Sの座は白布に取られたけど、だからってあいつに負けたって認めてねぇけど、
でも悔しいもんは悔しい。だから最後の大会、あいつは持ってない俺の武器で活躍して見せる!」
彼の視線は水槽から動かない。
繋がれた手に力がこもるのがわかる。
突然向けられた彼の視線が私を捕らえる。
「だから、今度の春高予選も見に来てくれ」
「無理です!」
「え」
「私だって選手なんですから。」
「あ、そっか」
「でも、終わったらなるべく早く見に行きますね」
女バレはそこまで強くないし行けてベスト8くらいだ
でもその前に私は、真剣な彼に小さな嘘をついた。
私が春高予選に出ることはない。
ただ引っ越しの準備で忙しいだけだ。
でもそれがまだ言い出せなかった。
水族館を出たらお昼を回っていた。
「お腹空きましたね。」
「駅前に食えるカフェあるらしいけど行くか?」
「行きましょう!!・・・で、それは誰情報ですか?」
歩き出したと思ったらしょっぱなAの鋭い質問。
「なんで?」
「いや、瀬見さんが普段からカフェ行ってるとは思えないんで」
「おい」
「それに、らしいってことは行ったことはないってことですよね!?」
図星だった。
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South(プロフ) - 天瀬 優梦さん» コメントありがとうございます(^-^)私も書きながらにやけちゃってやばいです(//∇//)\これからも応援よろしくお願いします (2016年9月8日 19時) (レス) id: 811d3afd03 (このIDを非表示/違反報告)
天瀬 優梦 - 顔がにやけちゃいますw (2016年9月8日 17時) (レス) id: d5114eb219 (このIDを非表示/違反報告)
South(プロフ) - 東堂莉愛さん» コメントありがとうございます!これからもドキドキしていただけるような展開を思考しますので応援をよろしくお願いします! (2016年9月5日 1時) (レス) id: d0e44075d9 (このIDを非表示/違反報告)
東堂莉愛(プロフ) - え、まじすか。めっちゃドキドキします。 (2016年9月4日 20時) (レス) id: 28f8595726 (このIDを非表示/違反報告)
South(プロフ) - なりさん» コメントありがとうございます!ですよね!瀬見さんかっこいいですよね!私も自分で書いてて惚れそうになりましたwこれからもご期待に応えられるように頑張ります! (2016年3月29日 23時) (レス) id: d0e44075d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこ兔 | 作成日時:2015年12月25日 21時