スコッチと組織のヘンなヤツ (ページ14)

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十四ページ14

それから何ヶ月か経って、寒い日の夜。

街中もうすぐバレンタインだと色めき立っているせいで、チョコレートが食べたくなる。
組織に与えられた方でないセーフハウスでマシュマロを溶かしたホットチョコレートを飲みながら古巣に送る情報を整理していれば、唐突知らないアドレスからメールが来た。メールの内容はビターズとの任務、詳細は本人から聞け、とのことらしい。
これはおそらくビターズのメールアドレスだ(十中八九捨てアドだろうが)。まあ、バー以外に彼と会う方法がなかったため久しぶりに彼に会えると思えば嬉しかったが、それには大きな疑問も残った。

ビターズは、情報を吐かせるための拷問官だ。故に組織では誰かと組むこともなく、今日のオレみたいなことは珍しい。おそらく初めてだろう。そしてスコッチは、高い場所からターゲットを打つのが仕事のスナイパー。
それ故に、彼との合同任務の内容が全く掴めない。バーボンならまだ分かるかもしれないが、どうしてスナイパーのオレが彼と合同任務を？

指定された場所はここから遠かったので、車を走らせながらずっと考えていたが、やっぱりどれだけ考えても分からない。山道に入っているようだが、目的地すらも分からない。車はもう二時間くらい走らせている。もう既に深夜だ。

そしてもっと分からないことは、ライフル銃ではなくハンドガンを持ち物に指定されたことだ。近接戦が必要ならば、遠距離、後方支援がメインのスナイパーよりももっと適任がいる筈。

ビターズは、いや、バーテンさんは。一体何を考えているのだろう。

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