＊ ページ17
「へっ？」
開いた口が塞がらない、とはまさにこの事。
だいぶ暖まったからと体を離してもらい
彼を見ればニコニコと笑っていた。
「俺も昔荒れてたんだよね〜」
「はっ……？えっ？いきなりどうしたの…？」
「いや、Aなんか目立つの嫌いそうに見えたから…俺と一緒かなって！」
「翔太、こわい」
「なんで！？」
どうして彼はここまで分かるのか。
エスパーなのか、そうなのか。この際、言ってしまおうか。
過去は、変わらないのだから。
「そうだよ、色々あって。こう見えて有名だったんだから。」
「でも、やめたんでしょ？」
「ん。なんかバカらしくなってね。」
「へぇ………」
翔太が何かを言おうとした時、委員会の先生が
慌ててドアを開けにきたから聞けなかったが
彼は何を言おうとしたのだろうか。
その話は、その翌日に聞けることができた。
凄いキラキラとした笑顔で翔太がこちらにやってきたときには
一体全体何があったのかとも思ったが。
「A！やりたいこと、やろうよ！」
「…は？」
「だーかーらー！高校生活も残り少ないんだから…やりたいこと、やろ！」
「はぁ……」
「過去なんて関係ないよ！目立ったっていいじゃん！俺と一緒に盛り上げよ！」
「……翔太も目立ちたくないんじゃなかったの？」
「んー……そう思ってたけど…やめた！やりたいこと見つかったからね！」
そう言ってる彼の目は輝いていて、かっこよかった。
やりたいこと…私のやりたいこと、それは何だろうか……。
「翔太。」
「んー？」
「私、やりたいことまだ見つかってないよ。」
「ならさ、俺と一緒に探そう？」
「……」
「きっと見つかるよ！Aのやりたいこと！！」
まっすぐに目を見つめられて、そう断言されてしまうと断る理由が見つからない。
それどころか、彼と一緒にいれば本当に見つかってしまうんじゃないかと思った。
「…分かった、探してみるよ。でも、翔太がやりたいことって？」
「それは…放課後のお楽しみ！」
「…う、うん？」
その後、放課後約束をしてから授業が始まった。
いったい彼は何をやりたいのだろうか、そんなことを考えていたために
午後の授業は脳内にほとんど入ってきていなかった。
「よし！んじゃ、行くよ！！」
「え、どこ行くの？」
「カラオケ―！！！」
「は！？」
そう言って、テンションの高い彼に連れられてやってきたのは近所のカラオケだ。
私も、実際は行ったことないのだが。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かのこゆり - 今回もとても素敵でした…。設定もストーリーもよく考えられていて、尊敬します！同じ「スクール・ラブ」でも全然違って、読んでいて本当に楽しかったです。作者のみなさん、お疲れさまでした。最高の作品をありがとうございました！ (2019年1月26日 17時) (
レス) id: 1f2cd0f1d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
