いつもとなりに (ページ5)

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雅紀 side

和也先生が言った毎年恒例の『体育祭』。
潤先生の隣にいた翔くんは、一瞬不安そうな顔をしたけど
翔「先生、どんなことやるの？」って結構積極的な姿を見せてくれた。

和「今年参加するのは『障害物競走』っていって、走って網をくぐってゴールまで行くんだよ＾＾」と和也先生が話すと
翔「僕、やりたい！」って席から立ち上がって、教室の中を走り回っていた。
そんな翔くんを潤先生が止めようとしている時、ふと横を見るとまだ不安な表情の智くんがいて
「智くん。障害物競走、楽しみだね＾＾」って言ったけど、下を向いてしまった。

そんな智くんに和也先生が近寄って
和「智くん、何が心配？先生にお話して？」と机を挟んで問いかけた...すると
智「ひといっぱい、いやだ。」ってゆっくりだけど答えてくれたんだ。

元々コミュニケーションが苦手な智くんは、実は小学部の時の体育祭は不参加。
でも運動が得意な智くんを僕たちは見てたから、今年こそは出てほしいと思っていた。

和「そっか...でも先生達ずっと隣にいるよ？お魚さんのシールの付いたイスも用意してあるし、頑張れないかな？」
そんな和也先生の必死な思いが通じたのか
智「おさかなのイス、すわりたい。」と言ってくれた智くん。

和「今日の13時から運動場に出て練習するから、先生と一緒に行こうね＾＾」と微笑むとこくんと頷いてくれた姿に、僕はとりあえずホッとした。

潤先生に捕まえられて席に戻った翔くんも
翔「僕も赤いシールのイス、座る！」って元気に手をあげてくれて
「分かった！先生が翔くんのイスに赤いシール貼っておくね＾＾」って約束をした。

今はやる気になっている2人だけど、直前までどうなるか分からない...
そんな不安を抱えながら、今日も授業を始める事にした。