いつもとなりに (ページ23)

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潤 side

そして迎えた本番当日。
いつもと違う空気に敏感な2人は、やっぱり不安定な状態だった。

教室をいつも以上にソワソワしながら歩いている翔くん。
その隣では自分の席でただ黙って青いタオルを握っている智くん...
「大丈夫、先生達がいるからね＾＾」
そんな事しか言えなくて、俺はとても歯痒かった。

そんな2人の緊張をあおるかのように着々と進んで行く準備...そして
和「智くん、翔くん。体育館に行きますよ＾＾」っていう優しい和也先生の声が教室中に響いたんだ。

もちろん一番最初に手をあげたのは
翔「...はい！」と今日は少し緊張気味の翔くん。
でも
翔「潤先生、行こ！」と元気よく俺の手を痛いほど引っ張る姿はいつも通りで
「ちょっ、待って！」って息を切らしつつ一緒に俺も体育館まで走った。

体育館に着くと
翔「ここ、僕のイス！」と迷わず自分の席に座った翔くん。
俺はそんな姿に安心して、少し周りを見渡した...すると
「智くん...これたんだ。」

翔くんの隣の席...とまではいかないけど、体育館の一番隅っこにイスを用意してもらって和也先生と雅紀先生に付き添われて座っている智くん。

何度も体育館まで行く練習はしていたけど、きちんと座れていたのは今回が初めて。
「...すごいじゃん。」と俺はまた成長を感じていた。