星劇31 ページ34
コンコン
虎石が襖の叩く。
虎『えーい。今日も来たぜ』
返事を待たずに襖をあける。
その瞬間に、赤い刀が、虎石を襲う。
それを避ける。
少女が虎石を睨む。
『……避けないでくれませんか?』
虎『いやいや、受け止めたら死ぬから』
『いつまで私は、ここにいればいいんですか?』
虎『前も言った筈だぜ?一生ここにいろって』
その言葉に溜め息をつく。
『あのですね。私は貴方と違い色々と忙しいんですよ?』
虎『俺もこれでも忙しいんだぞ。』
『暇人がやることと変わらないですけどね。』
虎『そんな事言ってもさ、お前が戻っても、あいつらに利用されるだけだ。』
その言葉にムッとする。
『それは分かっています。でも、これは私しか出来ないことです。』
虎『本当はやりたくねぇんだろ?』
それにカッと、血が昇る。
『ッ貴方に何が分かる!?確かに、本当はやりたくない!!でも、そうしないと私は必要されなくなる!!いらないものになる!!私には、この力だけなんです!』
溢れる思いが爆発する。
虎『ごめんな。辛い事言わせて』
ぎゅっと少女を抱きしめる。
虎『俺にはお前が必要なんだよ。俺さ、本当になにもかもどうでも良くなってたんだよね。でも、ある日、お前を見かけてさ、俺の心に光が見えたんだ。栄。お前が好きだ』
『虎石……。こんな私でも、好きになってくれるんですか?』
虎『あぁ、お前の力だけ必要とする連中に渡したくねぇんだ。……俺と一緒にいてくれ』
『…………はい』
場面が切り替わる。
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作者名:霜天睦花 | 作成日時:2019年6月11日 13時