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「お兄ちゃん、今回は何をするの?」
少女は、若干苛立ちを露わにしながら青年に話しかける。
そんな様子の少女を青年は笑い、
「何をそんなにイライラしている?
お前はそんなんでへこたれるアホだったのか?」
その言葉で、少女は呆れて何も言えなかった。
言い返しても、何もならないことは事実だからだ。
第一、こういう口喧嘩で負けるのは大抵は少女だから。
「…あのね、今、私は調子が悪いの。
というか、誰だって落ち込むことはあるでしょ、私でさえ」
苛立ちは増して来て、部屋をぐるりと見渡すと、バスケットボールが少女の目に入った。
…おもちゃのだけど。
「バスケ、か」
少女はポツリと呟き、また苛立ちを露わにする。
また何かを仕組むと、嫌な気持ちを含みながら思った。
部活のことには小さい頃から疎遠だったけれど、またやりたいという思いが込み上がる。
青年は、どこか寂しいような目で妹の少女を見る。
そんな視線を少女は無視して、
「行って来ます」
とバッグを乱暴に膝の上に乗せ、勢いよく漕ぎ始めた。
「行ってらっしゃーい!!」
…あまりに鬱陶しい青年の声に、少女は一瞬殺気を覚えた。
なんて、口や胸が裂けても言わないでしょうが。
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LongMine(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます!またコメントしてくれたんですね(^▽^)/ 嬉しいです。これからもよろしくお願いします♪ (2015年4月9日 22時) (レス) id: 839915622f (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ついに3が出ましたね!頑張ってくださいp(^_^)q (2015年4月9日 22時) (レス) id: e08f16bc6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LongMine | 作成日時:2015年4月8日 23時