School Love (ページ23)

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よしのくんページ23

いつも、運がないと思ってた。

元彼にはあげたプレゼント返せだとか、一番好きだった人には大事にされないし、男運というものがまるでない。

大学に入っても変なチャラチャラした男に言い寄られて危うくホテルに連れ込まれそうになった。

しかもあいつ彼女持ちやったし！！！

｢…お前ほんま男運ないな｣
｢わかってるわそんなん！｣

大学近くのカフェでずるずるとキャラメルラテを啜りながら吉野と話す。
たまたま講義で隣になり、お互い一浪、関西人という共通点が重なり仲良くなった。

｢まあ、A顔は可愛いしなあ｣
｢…思ってもないこと言わんといて｣
｢失礼やな！褒めてんねやんけ｣

あひゃひゃと笑いながら腹減ったわ、とつぶやく彼は夕方には仕事らしい。
超特急というグループでメディアによく挙げられているのをわたしも見た。

｢…ええなあ吉野は、｣
｢なにがやねん｣
｢そんだけ男前で歌も上手かったら選り取りみどりやん、｣
｢おま、俺の気も知らんとよう言うわ｣

受験で彼女に構ってやれんで振られるわ、一浪してやっと大学入ってめっちゃ可愛い子おる思ったら彼氏いるしおらんくなった思ったら変な男捕まっとんねん！

ってぺらぺらと流暢に早口でまくし立てる。

｢...吉野ええ子おったんや、｣
｢そこかい、...あ、３限始まるわいくで｣
｢えっあ、うん！｣

いつもみたいに横に座ってノートを開く。
出席確認取ってる間に吉野が可愛いって思ってる子探そうかな、

｢...ねえ、｣
｢あ？｣
｢...吉野の好きな子ってだれ｣

なんやそれって言いながら、次名前呼ばれる子。なんて大ヒントをくれた途端わたしの名前が呼ばれた。

｢...えっ、あ、はい、｣
｢Aなんやねんその顔、｣

くくく、って抑えながらにやにやしてる。

｢えっ吉野名前呼ばれる人ミスってへん？｣
｢合っとる｣
｢は、はあ...？｣

戸惑うわたしは吉野の顔なんか見れない

｢好きや。｣

そう囁かれた言葉は、この後の授業に集中出来ずにいた。