おがさわらくん ページ2
生徒会長で、頭脳明晰、歌も上手でダンスが凄い。
そしてあの、甘いマスク。性格も申し分ない。
神様はどうしてこうも不公平なんだろうか。
｢A？何してんの｣
｢んー、あれ。｣
｢わ、小笠原先輩また告られてるんだ｣
今月で4度目。私が知る限りではね。
でも答えはいつも"NO"
｢Aいいなー、生徒会で先輩見放題じゃん｣
｢…そう？｣
いつも断るってことは好きな人でもいるのかなあ、あれだけかっこよくて性格も問題ないならすぐ告白すればOK貰えるだろうに。
ま、私には関係ないけどさ。
｢あ、みょうじさん｣
｢…小笠原先輩｣
4限目を受け終わり、購買でパンを買った帰りの廊下でさっき告白された小笠原先輩がいた。
｢どうかしました？｣
｢今日放課後に書類のホチキス止め手伝ってもらえたりするかな？…都合悪い？｣
｢大丈夫です｣
｢あ！よかったあ、じゃあまた生徒会室でね｣
安心したように胸をなでおろし、爽やかな笑顔を振りまいて立ち去ってゆく。
｢そら、モテるわ｣
放課後、生徒会室に行くと先輩しかいなかった。
どうやら二人だけらしい。
この冊子をホチキス止めしてって、って説明を受けてミスのないように手を動かす。
ぱちん、ぱちんと静かな部屋でホッチキスを止める音だけが聞こえる。
そっと小笠原先輩を覗き見ると横顔がキレイで。
｢俺の顔なんかついてる？｣
｢…あっ、いえ、あの綺麗な顔だな、と｣
思っていた事がつるっと口から滑ってしまって思わず顔が熱くなる。
｢…好きな人にそう言われると嬉しいけどね｣
｢はっ、？｣
うっすらと笑い、色気のある目でちらりと見つめられホッチキスを落とした。
｢大丈夫？｣
｢、だ、大丈夫です。すみません｣
ホッチキスを拾い上げたら、小笠原先輩はわたしの目の前に立っていて、にこっとわらう。
｢…好きだよ、Aさん｣
｢せんぱ、｣
唇に柔らかいものが当たった時、ふわっとカーテンが揺れて、まだ閉じてない冊子が部屋を舞い散った。
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作者名：逢琉 | 作成日時：2018年2月5日 14時
