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わたしが、本来の自分を出せる場所はまだ見つけられていない。
忙しい父や母、何だかんだ頼りになる兄にも。
まだ、心の壁を取り外せずにいて、恐らく話さずともそれを察していてくれているであろう防弾少年団のメンバーたちにも。
元より、防弾少年団でいる為に、ステージの上で輝いているAでいる為に、メンバーたちと一緒にいる為に、元来のわたしを上塗りして消していく。
それが、わたしに近づき目的を達成しようとする多くの人々に利用されないよう、わたしもまた自分の命を奪われないようにする為の術なのだ。
｢わたしは、本当のわたしがどんなだったか忘れちゃった｣
｢僕は覚えてるよ。高校生の初々しいA、まだはっきり覚えてる。だからそんなこと言わないで」
｢ふふ、でもこれって悪いことじゃないと思うの。これも成長よ｣
わたしの笑顔が痛々しく見えたのだろうか、ヒョンシクは向かい側に座るわたしの手を取り強く握り締めた。
優しいヒョンシク。
わたしがわたしでいられたならば、ヒョンシクが元のヒョンシクのままだったなら、わたしたちは仕事上でもプライベートでも最高のパートナーになっていただろう。
何か言葉を選ぶように思案し、けれどそのまま飲み込んだ彼に、今度こそわたしが苦笑すると、ヒョンシクは軽く手を挙げて食事のチェックを済ませた。
｢A、次の休暇には2人でどこか遠くに出掛けない？」
｢遠く？｣
｢うん、仕事のこととか、嫌なこととかを完全に忘れられるようなところ」
｢テクノロジーが発達したこの世界のどこにそんなところがあるって言うの」
｢うーん、まだ地図に載ってない無人島を見つけようか？｣
｢宝探しみたいね、面白そう。でもオッパすぐ死んじゃいそうだわ」
窓の外を素早く流れる人口の光と、重低音が心地よく響くエンジン。
ステアリングを握ると途端子供におもちゃを与えた時のように生き生きと輝くヒョンシクの顔。
イタリア製の革シートと、彼のつける香水の香りが混ざり合う車内は、どこか落ち着かない気になる。
早く家に帰りたい、メンバーの顔を見たいと思うこの気持ちを察したかのようにヒョンシクがわたしの頬をつついた。
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Yue.(プロフ) - 彩夏さん» 彩夏さま とても嬉しいコメントありがとうございます(^^)ますます創作意欲が湧いてまいりました。another storiesの鍵につきましては、大変お手数お掛け致しますが、私のプロフィールからメッセージを送って頂きますよう宜しくお願い致します(^^)お待ち致しております！ (2020年5月19日 17時) (
レス) id: 596b1e2190 (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - このお話がとても大好きです、！！！！更新されるたびにすぐに読んでしまいます笑頑張ってください！応援してます！質問なのですが鍵がかかってるお話を読むことは不可能でしょうか、、？ (2020年5月19日 14時) (レス) id: e9b42be320 (このIDを非表示/違反報告)
Yue.(プロフ) - rmさん» rm様 コメントありがとうございます！そう言って下さるrm様がわたしも大好きです！！ (2020年5月13日 12時) (レス) id: bc65101879 (このIDを非表示/違反報告)
rm(プロフ) - 大好きです！！！ (2020年5月13日 12時) (レス) id: 141527778b (このIDを非表示/違反報告)
Yue.(プロフ) - チロルさん» わーお久しぶりです(^^)コメントありがとうございます、嬉しいです！お待たせしてしまいまして申し訳ありません！また徐々に更新してまいりますので宜しくお願い致します(*^^*ゞ (2020年5月2日 9時) (レス) id: 596b1e2190 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yue. | 作成日時：2020年4月1日 11時
