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彼の気分を察したジミンとテヒョンは、あーお腹空いたとわざとらしく呟きながらさっさとリビングに行ってしまった。
すると、すぐさまジョングクはわたしの腕を強めに引っ張り、先程までいた洗面所に連れ込む。
「こら、グガ、手加減」
JK「あと30分早かったら出来ましたね」
「そうね。そんなに機嫌悪くなるとは思わなかった、ごめんね」
JK「そうやってすぐ謝るのずるいですよヌナ…」
大人の余裕ってやつ?そう言ってジョングクは洗面所のドアの鍵を後ろ手に掛けた。
「こら。すぐ夕飯だよ。離して」
JK「だから、あと30分早かったら良かったのにね」
わたしを壁に押し付けたジョングクは、クスッと笑って少し強めに抱き締めてきた。
右頬に添えられた手から逃れようと、その太い腕を握ると、それが気に入らないと言わんばかりに素早く唇を押し付けてくる。
「んっ、ちょっと...!」
JK「さみしかった」
触れるだけの口付けの合間にそう小さく呟かれて、少し痛んだ胸。
人一倍寂しがり屋なジョングクに、わたしは困ったように微笑んで抱き締め返す。
すると彼は、リップ音を残し顔を離すと、満足そうな顔をして笑った。
JK「今夜は俺の番ですね!」
「ヌナ、今日はとても疲れたから1人で寝たいなって思ってるんだけどなー」
JK「だって昨日はジニヒョンだったじゃないですか。だから今夜は俺ですよね」
「だって、の意味が分からないけども…」
JK「今日ねー、仕事終わったあと少し時間があったからヌナにプレゼント買ってきたんですよ!何か当てるクイズやりましょう〜」
人の話を全然聞かないままニコニコと話を進めるジョングクに、わたしは呆れたような笑顔で、うん、と答える。
彼のこの独占欲の強さと、強い押しにはいつも負けてしまう。
それは、わたしがいつも負けると見せるとびきりの笑顔が可愛いから。
今夜はまた寝不足だわ。
諦めとも、嬉しさとも、何とも形容し難い気持ち。
ジョングクの大きな腕を肩に回されながらリビングのドアを開けると、既に夕食の準備が整えられていて、残りの6人が笑顔で迎えてくれた。
わたしの唯一の癒しの場所、防弾少年団。
暖かく、刺激的で、誇れる場所。
今日した仕事の疲れなんて、一気に吹き飛ぶ気がした。
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Yue.(プロフ) - 美玲さん» 2を作りましたので、そちらに随時更新していく予定です(^^)宜しければご覧下さい!コメントありがとうございます(˘ω˘) (2020年4月2日 19時) (レス) id: 596b1e2190 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - ヒョンシクさんとの関係がとても気になります!続き楽しみにしています。 (2020年4月1日 23時) (レス) id: 55ebdcbd41 (このIDを非表示/違反報告)
Yue.(プロフ) - チロルさん» チロルさん。コメント&お褒めの言葉頂きましてありがとうございます!とても嬉しいです!拙い文章で申し訳ないのですが、頑張りますので今後とも是非宜しくお願い致します。頑張ります(^^) (2020年3月21日 20時) (レス) id: bc65101879 (このIDを非表示/違反報告)
チロル(プロフ) - 凄く面白いし読みやすいです!更新楽しみにしてます! (2020年3月21日 19時) (レス) id: 2cd5a2bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yue. | 作成日時:2020年3月16日 23時