44.side Jimin ページ45
JM「ヌナ、綺麗...」
そこで冒頭に戻るわけだが。
目と口を閉じ、静かに横たわるAヌナは本当に作り物のように美しい。
言い方を変えれば、まるで心臓が動いてないかのような、生気を感じない。
そんなことがあるはずはないと分かってはいても、何故か不安になり、そっと頬に触れると僅かに温かく、それに安堵する。
人形のようにただ静かにそこにいて、闇を見るヌナ。
JM「目覚めたときに見た人を好きになるって、刷り込みって言うんだっけ?」
「...ジミナはわたしが雛鳥に見えるの?」
JM「わ、Aヌナ起きちゃったの」
「ふふ、こんな至近距離で話されたら気付くよ」
Aヌナは身動ぎ1つせず、覗き込む俺をまっすぐ見つめる。
俺がここにいて、こんなに近くにいることに何の動揺もしないらしい。
例えば、驚かされたとか、予想外のことが起きたとか、そんなことがあっても、ヌナは動じることは少ない。
ただ静かに佇んで物事を受け入れる。
JM「ヌナって人間じゃないみたいです」
「わー、まさかジミナから起きがけに悪口言われるとは思わなかった。随分成長したようね?」
JM「わっ、やめて下さいよ〜!」
がばっと起き上がったヌナに頭を抱えるように抱き込まれ、わしゃわしゃと髪の毛を乱された。
俺は、何だかそのスキンシップが嬉しくなってヌナの腰に腕を回して抱きつく。
そうすればAヌナは、そんな俺を甘やかすように優しく笑うのだ。
JM「悪口じゃなくて、褒め言葉なんですよ。人形みたいってこと!」
「褒め言葉に聞こえない」
JM「外国の人形とか、古代の彫刻とか、そういう美術的な美しさ?」
何か上手く伝えられない、と言葉を探し悩む俺。
ナムジュニヒョンみたいに頭が良かったら、こういう時気の利いた言葉をヌナにあげられるのにと思う。
Aヌナは、褒めてることを理解してくれたのか、小さく笑うと俺の額に優しく口付けてくれた。
JM「ふふ、ありがとうございます。やっぱり、ヌナは起きてた方が綺麗」
漆黒の瞳に映る自分の姿。
自分で可笑しくなるほど嬉しそうな顔をしている。
Aヌナは、そっと俺の頬に手を添えると、僅かに首を傾げて静かに近付いてくる。
JM「...ヌナ、愛してます」
触れるだけの優しい唇が離れていく。
彫刻のような静謐で美しいヌナが微笑んだ。
夜が深くなる前の静かな時間。
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Yue.(プロフ) - 美玲さん» 2を作りましたので、そちらに随時更新していく予定です(^^)宜しければご覧下さい!コメントありがとうございます(˘ω˘) (2020年4月2日 19時) (レス) id: 596b1e2190 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - ヒョンシクさんとの関係がとても気になります!続き楽しみにしています。 (2020年4月1日 23時) (レス) id: 55ebdcbd41 (このIDを非表示/違反報告)
Yue.(プロフ) - チロルさん» チロルさん。コメント&お褒めの言葉頂きましてありがとうございます!とても嬉しいです!拙い文章で申し訳ないのですが、頑張りますので今後とも是非宜しくお願い致します。頑張ります(^^) (2020年3月21日 20時) (レス) id: bc65101879 (このIDを非表示/違反報告)
チロル(プロフ) - 凄く面白いし読みやすいです!更新楽しみにしてます! (2020年3月21日 19時) (レス) id: 2cd5a2bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yue. | 作成日時:2020年3月16日 23時