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「今日はありがとう」
「いやこちらこそ。楽しかったよ、また会いたいな」
「えぇ、もちろん。連絡するわ」
マンションのエントランスからすぐ側にあるVIP専用パーキング。
停まった車はメタルグレーに輝くボディが美しいドイツ産のスポーツカー。
インテリアからエクステリアの細部に至るまで全てオーダーされた高級車だ。
シートベルトを外し助手席のドアを開けるまで、全てやってくれた彼を見上げてお礼を言うと、爽やかな笑顔で答えてくれる。
ナムジュンより僅かに高い身長、長い手足、爽やかなのは顔だけじゃなくて性格もだ。
彼には人間特有の卑しさというものが感じられない。
それが、わたしが彼を気に入ってる理由。
「君の弟たちは大丈夫?今日僕と会うこと言ってないんでしょう?」
「うんまぁ…言ったら後が大変だもの。でも大丈夫よ」
「そうはっきり大丈夫だって言われると僕もちょっと悔しいけど」
そう言って苦笑いする彼の肩に両手を置き、かかとを上げると、彼の白い頬に軽くキスをする。
彼もそれをにっこり受け入れ、わたしがエントランスから中に入るまで見届けてくれた。
たまに会う彼は、別れた後こうしていつもわたしの姿が見えなくなるまで見送ってくれるのだ。
エレベーターのボタンを押し、中へ乗り込み、最上階へ上がる為のパスワードをピッピッと打ち込むと、ふぅという溜息が漏れた。
こうしてたまに外の世界へ出て違う人と会うと、気分が変わって楽しいが、やはり疲れる。
何だかんだわたしは、防弾少年団のメンバーと一緒にいるのが1番楽なのだと思い知らされる。
今エレベーター、もうすぐ着くよ。
携帯を取り出し、グループトークへメッセージを送る。
すると、瞬時に返ってきたスタンプの送り主は意外にもユンギだった。
アイディアを捻り出すのに行き詰まっているのだろうか、彼が携帯を見ているなんて珍しい。
そうこう考えているうちに、あっという間にエレベーターは最上階へ。
奥のフロアにある全ての部屋の柱を取り払い、1つに繋げたわたしたちの部屋へ通じる廊下を歩いていると、こちらに向かってパタパタ走る人影。
ジミンだ。
「ジミナ〜!」
JM「Aヌナ〜おかえりなさ〜い!」
「外まで迎えに来てくれるなんて珍しいじゃない。どうしたの、ヌナ嬉しい!」
がばっと抱きついてきた彼を受け止め、わたしにとびきりの笑顔をくれるふわふわした髪を優しく撫でると、擽ったいような仕草をしてわたしの首筋におでこを落とした。
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Yue.(プロフ) - 美玲さん» 2を作りましたので、そちらに随時更新していく予定です(^^)宜しければご覧下さい!コメントありがとうございます(˘ω˘) (2020年4月2日 19時) (レス) id: 596b1e2190 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - ヒョンシクさんとの関係がとても気になります!続き楽しみにしています。 (2020年4月1日 23時) (レス) id: 55ebdcbd41 (このIDを非表示/違反報告)
Yue.(プロフ) - チロルさん» チロルさん。コメント&お褒めの言葉頂きましてありがとうございます!とても嬉しいです!拙い文章で申し訳ないのですが、頑張りますので今後とも是非宜しくお願い致します。頑張ります(^^) (2020年3月21日 20時) (レス) id: bc65101879 (このIDを非表示/違反報告)
チロル(プロフ) - 凄く面白いし読みやすいです!更新楽しみにしてます! (2020年3月21日 19時) (レス) id: 2cd5a2bb9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yue. | 作成日時:2020年3月16日 23時