獣隊士見参(6) ページ14
やっと屋敷に辿り着き、
残りの隊員がいないか確認しながら
中へ入ると、縁側に伊之助くんが
ぽつんと座っていた。
『あれっ？伊之助くん？どうしたの、稽古はとっくに終わってるはずじゃ…』
「…ん。」
『？』
握り拳を差し出され
何かを渡そうとしてくれていたので
両手のひらを広げてみた。
『あら、綺麗なドングリだね』
「明日から次の柱ん所に行く事になった。飯、うまかった。」
『そうだったんだね、おめでとう！なんだか寂しくなるねえ』
「本当はAとも戦ってみたかったんだけどな！」
『アハハ、次に稽古つけてくれる悲鳴嶼さんの稽古が終わって時間が合えば、私はいつでも引き受けるよ。またいらっしゃい。』
「…次はアレが食いてえ。」
『アレとは？』
「アレだ！アレ！海老とか芋にアレがついてるやつだ！」
『んー？海老と芋にアレ…あー！天ぷらの事？』
「そうだ！それだ！」
『わかったよ、柱稽古終えたご褒美には沢山用意するね！』
「おう！」
『…伊之助くん、ちょっと被り物とってもらってもいいかな？』
気乗りしない雰囲気を出しながらも
渋々素顔を見せてくれた伊之助くんの頭を
思いっ切りわしゃわしゃと撫でた。
「テメェ何すんだ！」
『ハハッ、ごめんね。やっぱり伊之助くんは可愛いねえ。ドングリありがとう。大切にするよ！』
「うるせー！！これ以上俺をほわほわさせんじゃねえ！次会う時の俺は山の王であり柱だからな！無礼は許さねえぞ！じゃあな！！」
そう言って猪突猛進と叫びながら
伊之助くんは屋敷を出て行った。
「…遅かったなァ。」
『あ！ごめんなさい！ただいま帰りました』
「甘露寺の所ならいいけどよ。」
『今日もなかなか終わり時が掴めなくて。あ、見て下さい！今、伊之助くんが実弥さんとの稽古は終えたからって、いつものお礼に綺麗なドングリくれたんです』
「あぁ。居間のちゃぶ台にも置いてあったぞ。」
『きっと彼なりの恩義なんでしょうね。最後まで可愛かったなあ』
「どこまでも野生児じゃねェかアイツ。」
『人懐っこい野良犬拾ったみたいで楽しかったです』
「犬っつーか完全に野良猪だろォあれは。とりあえずさっさと飯食うぞ」
『はーい！』
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AYA - しのぶさん一回も出てないww (2021年10月10日 16時) (
レス) @page49 id: d9c298088e (このIDを非表示/違反報告)
おぎ丸(プロフ) - ちびごん様≫コメントありがとうございます！ニヤけてもらえて嬉しいです！今後ともお付き合いくださると感激です！ (2020年5月29日 0時) (レス) id: 52f4783003 (このIDを非表示/違反報告)
ちびごん(プロフ) - 初コメさせてもらいます！毎回うわぁぁ！と思ったらニヤけまりして読んでます！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: de3300122a (このIDを非表示/違反報告)
おぎ丸(プロフ) - 灰色サーモン様≫嬉しいご感想ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月19日 4時) (レス) id: 52f4783003 (このIDを非表示/違反報告)
おぎ丸(プロフ) - あおい�桐輸笋△蠅�とうございます！頑張らせていただきます！ (2020年5月19日 4時) (レス) id: 52f4783003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぎ丸 | 作成日時：2020年5月18日 7時
