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Aside
最悪だ。言葉が被ってしまった。
何この典型的なコミュ障状態。
さすがに声を掛けてもらってそのままフェードアウトは出来なかった。
だから勇気を振り絞って話しかけようとしたのに、この有様である。
海人「わっ、なになに！先どうぞ」
なんて言われ、会話のハードルが上がってしまった気がする。
「いや！あの、高橋さんお先にどうぞ！！」
意味の無いただただ気まずい譲り合い。そして更にハードルを上げて高橋さんにパスしてしまった。最低だ。だが、今の私にはそれしか出来ない
海人「え！笑いいの？？じゃあ言うよ？」
ゴホンっと高橋さんが咳払いをして改まった雰囲気になる。
「はい！」
ドキドキ
海人「………………」
「？」
なんだろう。すごい真顔だ。
海人「…………………………………………」
鼓動が早まる
何を言われるんだろう
海人「忘れちゃった」
え？
ぷっ
「あっははははははは！！」
我慢できなかった
何この人。おもしろい
すっごい真面目な顔して「忘れちゃった」って
私はてっきり何か怒られるんじゃないかって思ってた
ひとつ上の永瀬を呼び捨てにするし、タメ口だし……
私の周りが私に甘くて優しいってだけで、舐めた態度が許されてるわけであって……。
たとえ1つだけだとしても年上には敬語が大事って思う人もいるだろうから。
そういうタイプなんだと思ってた。
気をつけよーって
あ、でもそっか。
私まだ高橋さんの前で、永瀬と話してないや
これから気をつけないとな。
そういうタイプの可能性もあるし
なんだか分からないけど、私はこの人に嫌われたくない
本能がそう言っている
あーお腹痛い
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作者名：ぺとり | 作成日時：2024年3月26日 22時
