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Aside
「今から話すことは、海人くんの気持ちを落ちさせちゃうかもしれないので、聞くのが嫌になったら言ってください」
海人くんに、私の過去を話す決意ができた
これで、嫌われたり、関わりを変えられたりしたらどうしようとも思うけど、それでも、
海人「話してくれるの？俺に」
「はい…海人くんに聞いてほしいんです」
海人くんは私の言葉を遮らず、ただひたすらに私の言葉に耳を傾け続けてくれた
「私、中学までは、すっごく順調だったんです。あっきーがいてくれて、おかげで素も出せて、毎日笑ってたんじゃないかってくらい、楽しい思い出でいっぱいなんです。あっきーがいたから、あっきーが笑ってくれたから、周りに他にも友だちが集まってきて、笑ってくれて、、」
海人「うん」
「だから、私勘違いしちゃったみたいで、私に価値があるって。私は面白いんだって、好かれる人間なんだって…」
海人「え…？」
「価値があったのも、面白かったのも、好かれてたのも、私じゃなくてあっきーだったんです。それを高校に入って思い知らされました」
海人「何があったの？」
「あっきーとは、別々の高校に入ったんですけど、私と一緒の高校には、中学で出来た別の友だちがいて、同じクラスになれたから、一緒に生活するようになったんです。最初はお互い『友だちできるかな、一緒にいようね』って言い合ってて、不安を共有してたんですけど、私、面白くなかったみたいで…」
思い出すと、胸がきゅっとなる
「その子には他にもどんどん友だちが出来ていくのに、私は全然で。それでも『一緒にいようね』って言葉を信じて、私はその子のところに行き続けていました。移動教室の時も、お弁当の時も。だけど、その子に、とっても仲のいい友だちができたんです。どこからどう見ても2人組って感じの」
「今思えば私は相当邪魔者だったと思います。だけど、その時には他に友だちを作るのも難しくて、そこにいるしかありませんでした。不運なことに席も遠くて、移動教室も2人を追いかけるようについて行きました。お弁当の時も私は話せないほど2人で盛り上がっていて、私の価値ってなんなんだろうって思いました」
「私なんていなくても変わらないんじゃないか、そう思って1度何も言わずにお弁当を一人で食べてみたんです。わずかでも私を探したり呼んだりしてくれるんじゃないかなって期待もして」
「だけど、2人は何も変わらないままでした」
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作者名：ぺとり | 作成日時：2024年3月26日 22時
