愚かな感情 ページ35
Aside
あの夜の出来事から早くも2週間が経とうとしている
海人くんはあのあと大学が忙しくなったみたいで、バイトを休んでいた
だから今日は久しぶりに、会える
って言っても2週間ぶりだけど…
あの日のこと覚えてるのかな？
とドキドキしながら店に入る
海人くんは私が目に入るとすぐに「おはよー！」と声を掛けてくれる
良かった、元気そう
「おはようございます」と言ってバックヤードに入る
今日は土曜日なので永瀬もいる
珍しく私の方が早く着いたみたいで掃除の準備をして待つ
待てども待てども来ない
13:00〜のシフトで現在は12:58
さすがにもう来てもいいだろうと思ったら
ガチャっと扉が開く音がした
そちらの方に目をやりながら声をかける
「なにやってんの〜？遅いじゃんか…ってあっきー！？」
まさかのあっきーが来た
あ「やっほやっほー！おつ〜！」
「え！なんでなんで！大学は？」
あ「今日永瀬来れなくなったらしくてね、変わってやった。Aと一緒なの見て無理やりねじ開けたのこの時間」
「え…？好きなんだけど」
あ「奇遇、わたしも」
なんて話してるともう13:00
レジに向かう
久しぶりのあっきー、ほんとに嬉しい
今日はバイトに来たかいがあった
＿＿＿＿＿＿
今日は、私が掃除をさせていただく
急遽入ったあっきーや先輩の海人くんにやらせるわけにいかないもんね
それでも早くあっきーと話をしたかったから超特急で終わらせようとしていた
けど、
結局私は掃除に1時間かけてしまった
単に時間がかかりすぎた訳では無い
わざとだ
だって
あっきーと海人くんがとっても楽しそうだったから
あっきーと海人くんは元々シフトが被っていた
だから仲がいいのは当然
会うのも私と同じく久しぶりだろう
それを邪魔できない
っていう綺麗な理由だけなら、どれだけ良かったか
なんと私はいっちょ前にもやもやしていた
おそらく嫉妬というやつ
私以外にも同じ顔するんじゃん
とか
誰にでも優しくするわけじゃないけど、あっきーにはするんだ
とか
もしかしてあっきーも海人くんに送ってもらったことあるのかな
とか
なんて愚かな感情を抱いてしまったんだと、自分を咎め続けると気づいたら1時間経ってしまっていたのだ
結局その日は、海人くんとは特に話すことなく海人くんのバイトが終わった
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作者名：ぺとり | 作成日時：2024年3月26日 22時
