わたしの幸せな時間 (ページ31)

今日:16 hit、昨日:14 hit、合計:1,219 hit

・ページ31

Aside

海人くんを優しく諭すように声をかける

「はーい、帰りますよ〜、海人くん」

海人「やだっまだ帰らない！もっと飲む〜」

「私を迎えに呼んだんじゃないんですか〜？」

海人「ちがうっ。Aちゃんに会いたかったから…もしかしてAちゃん、本当は嫌だったのに断れなくて来ちゃったの…？ご、ごめぇーん…うっ」

まずい、
また泣かせてしまう

助けを求めようと永瀬の方へ振り返る

も
永瀬の姿は無い

よく見るとお会計をしているようだった

あんなに顔を赤くしているのに永瀬はしっかりしているんだなぁと感心していると、海人くんが泣き出してしまった

あわあわしている私に永瀬が近づいてきて衝撃の言葉を放つ

永瀬「じゃあ、あとは頼んだで」

はい？

「え、何どういうこと？一緒に帰るんじゃないの？」

永瀬「そんなこと言ったっけ？俺明日一限からやからこの後友だちん家泊めてもらう予定やし。」

「え、聞いてないよ！？2人で帰れってこと？」

永瀬「そ♡お会計済ましてるから、早めに出るんよ〜、海人頼むな〜」

状況をうまく飲み込めずに軽く放心状態になっている私に手を振り、人でなしは店を後にした

捨てられた酔っぱらいとわたし

海人くんは泣いてるし、

私も泣き出してしまおうか

と思ったが、海人くんにはたくさん助けて貰っているから、お礼をするにはいい機会

とにかく涙をどうにかしないと

「全然嫌じゃないですよ〜？」

海人「ほんとに、嫌じゃない？」

「嫌じゃないです」

海人「…じゃあ俺に会えてうれし？」

「嬉しいですよ」

海人「へへっ、ならよかったぁ」

ふにゃふにゃの笑顔の海人くん
初めて見る表情がかわいくてたまらない

「海人くん、帰りましょ？」
ティッシュを渡して涙を拭いてもらう

「外に車停めてあるのでそこまで歩けそうですか？」

海人「はーい！あるけそうでーす！」

酔っぱらいの海人くん、園児みたい

席を立つ前に水を1口飲んでもらい、店を出る前にお手洗いを済ませてもらった

よたよた歩く海人くんを、軽く支えながら歩く

海人くんに触れているところから体温が伝わってきて、あつくなる

「はーい、車でーす、乗ってくださーい」

海人「かしこまりましたあ！お願いします！」

酔ってるのにしっかりお願いしますは言えるんだ

海人くんを助手席に乗せて、運転席に座る

ここから家まで、心臓持つかな…