2人きり ページ27
Aside
今わたしは、信じられない状況に立たされている
22:07 私は今、海人くんの車の助手席に座っています
車内は綺麗に整頓されていて、芳香剤の香りもほのかに香り車を大事にしてるんだなって感じ
こんな夢みたいな出来事
でも浮かれてるだけじゃないのも現実で…
海人「よしっ、お待たせAちゃん」
シフトの確認をしてくると言い私を車内に置いてからお店に入っていった海人くんが車に戻ってきた
海人「じゃあ、いこっか！」
長引いた大学の講義を受けて、ご飯も食べずに4時間立ちっぱなしのバイト……
疲れてるはずなのに、早く帰りたいはずなのに、海人くんは私を送ってくれようとしている
「ご、ごめんなさいっ！私も忘れ物しちゃったみたいで！ちょっと取ってきます！あの、早く帰りたくなったら帰ってもらっても…」
海人「待ってるよ。急がなくていいからね。」
優しい笑顔で答えてくれる
忘れ物なんてうそ
海人くんにお礼の粗品を用意する
こんなコンビニで買うものなんて応急的なものだから、ちゃんとしたのはまた今度
おなかが空いてるみたいだったから、おにぎりとサンドイッチ、あとはお茶
明日の朝にも食べれるように消費期限をチェックしてカゴに入れていく
海人くんがお腹を空かせて待っているから早くしないと…なんて子持ち主婦みたいなことを考えて、慣れた足取りで店内を回る
交代した深夜のおじさんにレジを打ってもらい、レジ袋ごとバイト用に持ってきているトートバッグに入れる
先に見られたら断られそうだもんね
「お、おまたせしました！すみませんほんと」
海人くんは笑顔で迎えてくれた
海人「だいじょぶだよ〜忘れ物あった？」
「は、はいっありました！お願いします！！」
海人「はーい、どっち方面〜？」
道案内をしながら、会話をしていく
海人くんに優しくしてもらうと思うことがある
海人くんはみんなにこうなの？
こうやって車に乗せたり、心配したり、だ、抱きついたり…
嬉しいはずのこのイベントが複雑な気持ちで埋め尽くされていく
恋人だって、いるかもしれないのに…
海人「…ちゃん、Aちゃん？これどっち曲がるの？」
「あっ！すみませんっ右です！」
海人「どうした〜？考えごと？眉間に線が入ってたよ〜」
なんて明るく聞いてくれる
そうやって、他の子にも優しくしてるのかな…
良くない感情が心に渦まく
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作者名：ぺとり | 作成日時：2024年3月26日 22時
