好きなタイプ ページ23
Aside
待ちに待った水曜日の夕方
講義が終わってからシフトが始まるまで時間があるから一回家に帰ってご飯を食べてから自転車で向かう
雨、降りそうだなぁ
って思ってても強行突破しかないっしょ☆
歩いて行ける時間の余裕などない！
行けりゃいい！なんたって今日は海人くんと5時間も一緒なのだから
と、ハイテンションで店内に入るのはいいものの、そこに海人くんの姿はなかった
交代のパートさんによると「高橋くんね、大学長引いてるみたいで、遅れるって連絡あったの。だから来るまで私とだけど、よろしくねぇ」とのこと
ハイテンションワクワクだったがためにちょっとズーンってなる
5時間が、短くなっちゃうじゃん
そんなこんなでいまいち気分が乗らないが、いつもより笑顔を作って仕事をこなす
常連さんにも「なんか今日楽しそうだなあ！笑ってて！」
なんて言われて、空回りがすごいことに気づかせてもらった
早く来てほしいなぁって思いながら何回かのお客さんの波を越えていく
海人くんが来たのは18:00くらい
すっごく急いできたみたいで、バックヤードに入って10秒くらいでレジに来た
海人「はぁ、はぁ、すみません！𓏸𓏸さん(パートさん)！1時間も延長させちゃって」
𓏸𓏸「いーんだよー。学校もバイトもがんばってんだね！偉い！じゃあおばちゃん帰るよー。春野ちゃん、お疲れ様。お先に」
「おつかれさまですー！」
海人「遅れちゃった、今日せっかくAちゃんと一緒だーって思ったのに…」
「大変でしたね。無事来れてよかったです」
海人「うん！遅れた分、いっぱい話そー！」
わたしもそう思っていたのだが、なんせ夕方はやることが多い
フライヤーの洗い物とか、便がきてお菓子やらカップ麺やらが大量に来る
そんな時間はあるのだろうか
と思っていたが、そうだった。この人全部一緒にやってくれるんだ…
レジも同時にやりながら…
海人「洗い物ありがとう！」
「全然大丈夫ですよ」
海人「そういえばさ！この前LINEくれたとき、友だちがって言ってたけど、お友だちに俺のこと話してくれてるんだ！」
「あぁ、あれ。すみませんでした。いきなり」
海人「ぜんぜん！嬉しかったもん！LINEできて！」
私はその言葉が嬉しいよ。海人くん。
そいえば、なんか、忘れてるような…
はっ！タイプ聞いてない！
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作者名：ぺとり | 作成日時：2024年3月26日 22時
