アピール ページ15
海人side
名前で呼んでいいってなれば、多分彼女も俺を嫌ってはないはずだ。
そうとなれば……
アピール！
「Aちゃんっ！Aちゃーん、Aっ！Aってほんといい名前」
A「は、はあ」
何言ってるのこの人って顔してる
ふふ
かわいー
そーだ！
「ねえっ、俺のことも名前で呼んでよ」
嫌われてないと分かればグイグイ行くよ
A「えぇ！？それは、ちょっと…」
「俺、苗字で呼ばれることほとんどないんだ〜。だからAちゃんの高橋さん呼びすっごい新鮮でそれはそれで良かったんだけど…俺だけ名前呼びするのもなんか変じゃん？」
A「そう…ですかね？」
「そーだよー！ね？だからおねがいっ」
両手を合わせてお願いする
お願いっ
いいよって言って！
A「い、い」
自動ドアが開く
A「い、らっしゃいませー」
ちぇっ
会話途切れちゃった
いつもの如く、塊で来るお客さんたち
しかも今日はなかなか途切れない
日曜なのに
しかも公共料金とか、荷物とか、手順の多いのばっかし。
お客さんの滞在時間も長いなぁ
やっとの思いで捌き終えるとAちゃんがこっちを見てた
スタスタ歩いてきて
A「い、いいですよ…」
って
最初はなんのことか分かんなかったけど、思い出した。
え！
いいの！？
ていうか、もしかして、この時間ずっと考えてくれた！？
うれしい
「ほんと！？じゃあ、呼んでみて！海人って」
A「いやいやいや！いきなり呼び捨てはちょっと…海人さんとかっ…」
「海人くん」
A「え？」
「海人くんっ」
A「…海人くん……」
「うんっ！それがいい！これからそうやって呼んでもらえるとうれしいなっ」
なんだかAちゃん顔が赤い気がする
照れてるのかな、
嫌ではなさそう
ふふ
うれしいなぁー！♪♪
「じゃあ俺、ゴミ捨ててくんねー！」
A「あぁ！ありがとうございます。お願いします」
とってもいい気分でシフトを終えられそう、なーんて思いながらゴミをまとめる
あ
そっか
次会えるの1週間後か……
せっかく距離縮まったのに、残念
やっぱり週2の2時間じゃ短過ぎない？
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作者名：ぺとり | 作成日時：2024年3月26日 22時
