霞柱は雪柱に振り向いてもらいたい【時透無一郎】

第拾肆譚　忘れられない ページ16

時透side


？「いやー、しっかし派手派手なやつだったな！」


？「うむ！ あの小ささで鬼と戦えているのが奇跡だ！ なあ時透！」


　柱合会議が終わって、少しだけお屋敷で話をしている。

　あの紫の蝶のひとと、Aは、治療をすると言ってはやめに帰ってしまった。

　あー・・・もうちょっと話したかったな。


『・・・蝶屋敷に行けば、Aと会えるかなぁ・・・』


柱「！？！？」


　・・・なんでそんなおどろいているんだろう。

　ピンクの髪のひとが「きゃーーー！」と叫びながら詰め寄ってきた。


？「無一郎くん、Aちゃんのこと好きなの？」


『・・・好き？』


？「きゃーーーー！ かわいいわ！」


　きゅんきゅんしちゃうわ！ と身悶えするひと。

　
？「あのねあのね。こう、そのひとのことを考えると、心臓がバクバクするの！

　 それで、こうグアーって、ズキューンって！」


？「・・・甘露寺」


　蛇が首に巻きついたひとが、はあっとため息をつく。


？「あ・・・いやだわ、恥ずかしい・・・。ごめんなさい伊黒さん。

　 とっ、とにかく、暇さえあればそのひとのこと考えちゃうの！」


　Aを見た時、脈が速くなった。

　いつもはどうでもいい、って。どうせすぐ忘れる、って思うのに。

　きれいだと思った。目が離せなかった。

　柱合会議が始まるまで、Aのことで頭がいっぱいだった。




　僕が、Aのこと、好き？




？「・・・時透は雪城が好きなのか」


？「お前は黙っとけェ」


　ドクンドクンする。

　あの、Aのきれいな顔を、思い浮かべただけで。


『・・・好き』


？「きゃーーーー！ かっわいいわ！

　 とにかくアピールよ、アピール！

　 Aちゃんは、鈍感なところがあるらしいから、思いっきりアピールよ！

　 頑張ってね！ 応援しているわ！」


？「俺も派手に応援するぜ」


　アピールとは、自分の想いを伝えることらしい。

　Aって鈍感なんだ・・・かわいい。


　
　 そういえば次って、Aと任務だっけ。

　 うれしい・・・。


　☁・・❀・・☃・・☽


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