第七話 ページ9
「キンジ、これ。さっきのベルト」
一瞬で静かになった。思うことは一つだ。
え、もうそこまでいったの?
……まぁ、実際はそんな話じゃないんだが。面白いので言わない。
「理子分かった! 分かっちゃた! ――これフラグばっきばきにたってるよ!」
叫んだのはキンジの左隣の金髪ゴスロリ女、峰理子だ。キンジ曰わく、探偵科インケスタナンバーワンのバカ女。
僕からしたら、ブラドに繁殖用雌犬(ブルート・ビッチ)って呼ばれている奴という印象しかない。
「キーくん、ベルトしてない! そしてそのベルトをツインテールさんが持ってた! これ謎でしょ!? これ謎でしょ!? でも理子には推理できた! できちゃった!」
うるせぇ。謎の踊りを披露し、
「キーくんは彼女の前でベルトを取るような何らかの行為・・・・・をした! そして彼女の部屋にベルトを忘れてきた! つまり2人は――熱い熱い、恋愛の真っ最中何だよ!」
セクハラで始まった恋愛はありなのだろうか?
まぁ、脅迫で始めるのよりはマシなのかもしれない。周囲は理子の推理に聞き入っている。キンジは何言ってんだこいつ、という顔をしていた。やっぱり面白いので放っておく。というか全員テンション任せだけどこれで推理とかひどくね? 世の中の名探偵に謝って欲しいね。特に父さんと僕に。
「レイレイに負けないくらいの!」
「誰に負けないだって、キンジ!?」
「俺か!?」
「いいよ、見せつけてあげようじゃないか!レキ」
「いいでしょう」
ノリノリだ!?と皆が叫んだ瞬間――二発の銃声がクラスを凍りつかせた。
音の下は、顔を真っ赤にした神崎。
それはもうまっかっか。
林檎みたいに。
「れ、恋愛なんて……くだらない!」
翼のように広げた両腕の先、左右の壁には穴が一つすつ。理子は謎の踊りの姿勢のまま席に着き、レキはヘッドホンの音量を上げて目を閉じて着席。
いや、それは逆に危ない。
「全員覚えてきなさい! そういうバカなこと言う奴には……」
それが神崎・H・アリアの俺たちに発した第一声。
「――風穴開けるわよ!」
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作者名:*0608 | 作成日時:2021年11月7日 22時