第十三話 ページ15
「すっげー超理論発揮してるよアリア……」
「キャラ濃いですねー」
「うるさいぞお前ら」
というか出逢って一日も経っていないの吃驚するほどの信頼だ。
アリアが肘かけにもたれる。
「おなかすいた、なんかないの？」
あ、今キンジがドキッとした。確かに結構扇情的なポーズといえばそうかもしれないけどこの体型でこれはどうなのだろう。ぶっちゃけ星伽とかだって同じようなことは……してないか。あれはキンジの前では大和撫子なのでそういう風にだらけるという姿勢を取らない。それを知っているわけではないはずだろうが、何気にこの女キンジに対するツボを解っていた。
「ね、ねーよ」
「ないわけないでしょ、あんたたち普段何食べてんのよ」
アリアの視線がこちらに向いた。
「カロリーメイトです」
「蜂蜜」
「……いつも下のコンビニだ」
「じゃあ行きましょう。あ、そうだ」
アリアはソファから立ち上がって、キンジの顔を覗き込み、
「そこって『松本屋』のももまんってある？ あたし食べたいな」
と、キンジを赤くさせている横で。
「……私たち若干空気なような」
レキが小さく呟いたのを聞き逃さなかった。
言わないでくれ。
「異次元の狙撃手って知ってる？」
それはキンジがアリアの命令によりコンビニにぱしらされ、出て行って突然聞かれた問いだった。
突然の問いに対し、
「僕の事だね。其れにアリア。君は教務課(マスターズ)でキンジとレキに加え、僕の資料も見たんだろう？」
間髪いれずに答えた。
「――――」
ふぅ、僕はため息をついた。
隣で僅かにレキが身を固くしたが、それには構わず､
「その前に自己紹介まだだったね。立花・氷焔・レイだ」
「……レキです」
「神崎・H・アリアよ……何で、あたしが教務課で資料を見たって知ってるのよ」
「簡単な推理だよ。アリアがここに来たのは、僕達のほんの少し前。なら、その前に何をしていたか？其れにキンジの部屋を本来なら君は知らない。けど、教務課が保管している資料になら、載っている。そこから､キンジと仲の良い僕とレキの資料も見たと分かるという事だよ。ホームズ四世君」
「ッ…………」
アリアは眉を細めて、
「……あんた、何で、知ってんのよ」
「さて、何故でしょう？君の勘ではわからないのかな？なら、推理能力があるメヌエットに聞くというのも手だと思うけど」
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作者名：*0608 | 作成日時：2021年11月7日 22時
