＊イナズマGO＊神童家のイケメン執事は女の子!? (ページ9)

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◇８+役回りページ9

まさか拓人様とクラスが一緒とは…。
といっても、取り乱していたのは私だけで拓人様はしれっとしていた。

どうでもいいって事ですか？

「天宮くん！」

「はい？」

授業と授業の間の短い休憩時間にも関わらず、私の周りは人で一杯に。

こんな経験、初めてです…。

「天宮くんってカッコいいよね～」

「うんうん！凛々しい気がするし」

「お、恐れ入ります」

カッコいいって…私、一応女なんですよ！

と、叫びたい気持ちが心の中で渦を巻いているのを余所にいつしか質問時間へと移行しつつありました。

「ねぇ、何処から転校してきたの？」

「あ、明聖学園です」

「明聖!?って名門校じゃん！スゴい！」

「実は家が経営している学校なので、ほとんど特別待遇みたいなものですが…」

「さすが天宮財閥の子息だね」

「良いなぁ。ルックスも頭も家柄も完璧だなんて」

「そ、そうですか？」

他人からこんな事を言われた経験はまずありません。

今考えればあまり自分の事を話した事がない気がします。

「天宮くん…？」

「はっ、はい!?」

「何かボーっとしてたけど大丈夫？」

「大丈夫です。ご心配おかけしました」

キーンコーン・・・

「そこ何やってるんだ？ベル着は中学生の規則だぞ」

「はーい」

・

・

・

私は今まで自分を知ってもらおうと思った事は一度もありません。
本当に、冗談抜きでです。

いつも誰かの側について、その誰かを引き立たせるような役回りばかり。

でもそれで良いんです。

執事としての個体が存在できれば十分なんです。

たったそれだけで・・・。