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(SC side)
着いた、とメッセージを入れれば地下出口からやってきたA。昨日よりも少し疲れたように見えるのは、気のせいではないだろう。
『迎えにきてくれて、ありがとう』
乗り込むと同時にそう言われて、「うん」としか返せなかった。俺ってば、ダメな男すぎるだろ。「帰り、ます」とかそんなことしか言えなかった。
家までの帰宅道。お互いに話さないこの空間が、無性に時間を長く感じさせる。
『あのね、スンチョラ』
そんな沈黙を破るように、Aが口を開いた。
SC「う、うん」
『…ごめんなさい』
SC「え？」
『……お仕事だって、分かってるのに。一方的にわたしの感情をぶつけちゃって。…スンチョリが悪いわけじゃないのに。ごめんね』
赤信号で止まったタイミングでそちらを見れば、俯きつつこちらを見てそう言っていて。そもそも事の発端は言わなかった俺だろう。そんな顔をさせてしまっている自分にも嫌気がさす。
SC「いや、俺こそ。…ごめん」
『ううん』
SC「ちゃんと言えば良かったんだよな。こういう仕事だった、って。やましい気持ちは無いけど、女の人と絡むことが嫌なことぐらい…、俺だって反対の立場ならよく分かってるし。実際リュウギとの時にはそうだったわけじゃん。それなのに、本当にごめん」
『本当に、…スンチョリは悪くないよ』
お互いに謝り続けていたけど、Aが続けた。
『あの写真を見て、相手がわたしだったらどれだけ嬉しかったかな、って思って。そしたらさ、小さい嫉妬心がどんどん大きくなっちゃったの。…スンチョリのこと、大好きだから、女の人が横に立っているだけで嫌だって思って』
Aの本音を聞いて、本当は良くないのかもしれないけどちょっと嬉しくなったのは秘密だ。俺のことを大好きだと、そう言ってくれたそれだけで。
SC「俺も、Aのことが大好きだから嫉妬だってするし、仕事だって割り切っててもやっぱり気にしてしまうところはあるからさ」
そう言えば、小さく頷いてみせる。
SC「これからは、隠し事は無し。嫌な思いをしたら、それも全部言う」
『うん。わたしも、ちゃんと気持ちは伝える』
SC「…アイスでも買って帰ろうか？」
『うん！コンビニ寄ろう』
SC「バニラかチョコならどっちがいい？」
『うーん、どっちもイイなぁ』
SC「じゃあ、俺はバニラにするからAはチョコにして。半分こしよう」
『わたし、スンチョリのそういうところが好きだよ』
そう言って今日1番の綺麗な笑顔を見せた。
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yz_dk_(プロフ) - にこさん» にこ様 コメントありがとうございます。気付いていない誤字でした。教えて頂きありがとうございます。編集させていただいております。 (8月15日 7時) (
レス) id: 20f64ffb2b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - わざとだったら申し訳ないのですが、モネクにミニョンはいません…ミニョクです🥺 (8月15日 1時) (レス) @page3 id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚紀
| 作成日時：2023年8月14日 18時
