18番星 ページ26
*
スンチョルに手を引かれて、そのまま寝室に連れて行かれた。この後何が起こるかなんて、よく分かっている。もう大人だから。
『スンチョラ』
SC「うん」
『…シャワーだけ、浴びさせて』
そのまま何も言わずに抱き寄せられて、お姫様抱っこされたかと思えばシャワー室に連れて行かれた。
SC「また痩せたんじゃない？」
『ス、スンチョラ…！』
SC「なに？」
『いっしょに入るとは、言ってないんだけど…』
SC「俺は一瞬たりとも離れたくないんだけど？」
スンチョルはズルい。そう言えば、わたしが断れないことをよく分かっているから。
『ズルい』
SC「そんなズルい男を好きなのは誰？」
余裕のあるような、そんな笑顔を見せてそっと頬を撫でた。
SC「昨日も無理させたし、今日だって4時に起きてスケジュールをこなして、しんどいのだって分かってるけど。…全部俺のせいにして。今日だけ、許して」
それ以上何も言えなくて、ただ嫌な気持ちにならなかったのだけは確かだ。恥ずかしいけど。とんでもなく恥ずかしいけれど。首元に手を回して、応えるように口付けを落とした。
*
朝、ベッドの中で後ろから抱きしめられた。ゆっくり目を開けばスンチョルの声が耳元でする。
SC「おはよ」
『おはよう。今何時？』
SC「…9時半だって、まだ寝よう」
『朝ごはんは？』
SC「もうちょっとしてから」
寝る前に、明日の朝は2人ともスケジュールが無いことは確認していた。朝ごはんを食べたい、作ってほしいというスンチョルのリクエストもあったんだけど。朝寝坊コースかな、と思いきや、そうもいかなかった。
モゾモゾと何かが動く気配がして、そちらを見ればクマがわたしの手を頭に乗せるようにそこにいて、わたし達を起こす。
『クマヤ、早起きだねぇ』
SC「そうだ。Aのカムバ期間が終わったらゆっくり散歩連れてってやる約束してたんだった」
『行く？』
SC「うん。そうしようか」
スンチョルは起き上がり、クマを片手に抱いてリビングの方に歩いて行った。
SC「クマヤ、でもまずAが作ってくれる朝ごはんからだから」
『クマも食べる？』
返事の代わりにまたわたしの手を頭に持ってくる。ぐしゃぐしゃと撫でれば、心なしか嬉しそうな表情に見えた。そんなクマの隣に座るスンチョル。
SC「俺は？」
『うーん、撫でてあげられるのはクマだけかなぁ』
SC「…クマヤ、仕方ないから今日は譲ってやる」
何処か誇らしげなクマ。そんな2人のやり取りに思わず笑ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1669人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yz_dk_(プロフ) - にこさん» にこ様 コメントありがとうございます。気付いていない誤字でした。教えて頂きありがとうございます。編集させていただいております。 (8月15日 7時) (
レス) id: 20f64ffb2b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - わざとだったら申し訳ないのですが、モネクにミニョンはいません…ミニョクです🥺 (8月15日 1時) (レス) @page3 id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚紀
| 作成日時：2023年8月14日 18時
