-House date 02 ページ16
.
ふと視線を感じれば、満足気な顔して目を細める彼と目が合う。
「……私の顔、何か付いてますか？」
「ううん？ 何もついてないよ？」
「なら、何でそんな笑顔で……」
「Aが可愛くて。 ……だってずーっと見てられるんだよ？俺幸せじゃん」
優しい顔で微笑む彼は、より一層目を細めた。
そんな彼に翻弄され続ける私の心臓は、落ち着く事を知らないらしい。
「可愛い〜A」
きっと顔が赤くなってるのか、そんな事を平気で言う彼。
「……あっ、あのっ、キッチン！ キッチン借りますね！」
そんな彼から逃げるようにキッチンへ向かう。
「キッチンに行って何するの？ 何か作るの？」
「あっ、え、その……、パンを！ パンを作ろうかと！ はい！ パン作ります！」
カウンター越しに覗き込む彼に、逃げたかっただけの私は咄嗟に言ってしまった。
「俺もやってみたい」
なんて、そんな事言うとは思ってなかった。
.
どうしてこの人は、後ろに居るのが好きなんだろうか。
「あっ、あの……」
「うん？」
「パン……作らないん、ですか……？」
「うん？ 作るよ？」
そう言う彼は、私の腰をガッツリホールドしてる。
「作る、体勢じゃない……ですよね、？」
「んー、そうかな？」
「そうっ……？！ この体勢でどうやって作るんですか！？」
「んー、こうやって。 ……後ろから、手伸ばしたり？」
「ひっ……！？」
私の反応見て絶対楽しんでる。
「も〜ほんと可愛いんだから……」
「あ、あの……パンを、作らないと……」
「うん。 ……作ろ」
「だっ……から、そこで喋るのやめてください！！」
「やだ。 ……だって可愛いんだもんA」
何度も耳元で囁く様に喋る彼に、私ばかりが翻弄されて。
次第に仕返ししたいとさえ思えてくる。
……やってみようか。
「……これを、捏ねてくださいスンチョルさん」
「うん？ 俺が？」
「はい。 ……パン作るんですよね？ なら捏ねてください」
「え？ あ、うん……分かっ、た……？」
彼との距離が恥ずかしいばかりだったけど、仕返ししようと企む今は恥ずかしさなんてどこかへ消えた。
……同じことしてやるんだから。
.
「……合ってる？」
「大丈夫です、その調子で捏ねてください」
生地を彼に任せれば、 "合ってるのかな……" なんて呟きながら少し不安そうに捏ねる彼。
どこか可愛く思えて、愛しく感じる。
.
-House date 03→←-House date 01
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1631人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MIE(プロフ) - ももこさん» コメントありがとうございます！ 別作品が完結次第ですが新しくすんちょる視点を書こうと考えてますので、その理由はそちらで書こうと思っております🙇♀️なのでもう少しお待ち頂けたら幸いです🍒 (6月7日 3時) (
レス) @page18 id: 3e10d8c607 (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - すんちょるが何故主人公のこと好きになったのか気になります！ (6月1日 19時) (レス) @page18 id: 7eba4932cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MIE | 作成日時：2023年3月31日 23時
