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1話 ページ1

「...え?」
ぼんやりと目を薄く開けると、見覚えのない天井があった。
寝起きにも関わらず、勢いよく半身を起こす。
「ここ、どこ?」
いつもの癖で腰をさする。私はいつも布団で寝ているため、起きると直ぐに腰痛が襲ってくるのだ。...まあ、今私を支えてくれているのは控えめな装飾の大きなベッドなのだけれど。
取りあえずベッドからおりて、部屋の中をぐるりと一周。
壁に掛けられた可愛らしい時計、中で小鳥が揺れている。まるで閉じ込められているかのようだ。
壁沿いに置かれた液晶テレビ、少し離れた所に机とソファが設置されている。驚くほどふかふかだ、きっと高いんだろうなあ。
部屋の隅にある黒いピアノ、ほこり一つ被っていないし新品だろうか。家にあったものは電子式だったから、本格的なピアノを弾くのはいつぶりだろう。
うーん、見れば見るほど見覚えがない。
それならばとドアを開けようとするも、頭の中にとある考えがよぎりピタリと手を止めた。
...もしかして、誘拐?
いや、まさか。そんな。私なんかを誘拐して何の得があるのか。そんな事、あるはずがない。
半ば無理矢理自分を納得させ、再びベッドに戻る。
落ち着くとかそういう訳では無いのだが、何となく自分の中での定位置に決まった。
特にやることもないし、どうしようか。
...やっぱり、ドアを開けてみようか。
特にやることもないし、テレビを見るといっても勝手に見ていいかどうかもわからない。
胸を高鳴らせながら、私は意を決してノブを回...せない。
あれ?回せない?嘘?
焦れば焦るほど、ノブのガチャガチャという不愉快な音が頭に響き渡る。
これは、もしかして本当に...いや、決めつけるのはまだ早い。そうだ、窓。窓があるじゃないか。

2話→



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設定タグ:逆転裁判 , ヤンデレ , 巌徒海慈   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:夜凪亜蓮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Chihiro0521/  
作成日時:2023年12月11日 19時

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