司法に携わる彼らとの日常×2

悪夢を見た ページ21

はみちゃん
｢A様、起きてください!A様あ!!｣
ぶんぶんと大きく体を揺らされ、その衝撃で目が覚める。意識するのは悪い夢にうなされ汗ばむ自分よ体ではなく、彼女が流す大粒の涙。苦しそうに喘ぐAを心配し、ずっと起こそうと1人で頑張っていたらしい。
｢でも良かったです、A様がご無事で...｣
少しでもAの不安を取り除こうとしてくれているのか、笑顔を振り撒く彼女の健気な様子にこっちまで涙をそそられてしまう。ここで泣いたらまた彼女を心配させてしまうため、ぐっと奥歯を噛みしめた。

あやめちゃん
｢だっ、大丈夫ですかっ...お水、お水を飲んで...｣
おろおろと涙を流しながら、コップを差し出してくる。彼女が自分よりも動揺していたおかげで逆に落ち着くことができた。こちらを慰めるように時折背中をさすってくれる。その手つきが酷く優しくて、自分のことをどれ程心配してくれていたかを察し心を痛めてしまう。

怜侍
心配はするものの、起こすことはできない。Aが何に悩んでいるのかわからないし、自分が踏み込んでいい問題かわからないから。それでも、もし少しでも自分に何かできることがあるなら何でもしてあげたくて、支えになりたくて、頼ってほしくて。そんな色んな感情が混ぜこぜになった結果｢最近、何か悩んでいることはないか｣なんて簡単な質問しかできない。その悩みが些細なものだったなら密かに胸をなで下ろすような面倒臭い男であれ。

冥ちゃん
Aのうなされている声を聞いた途端飛んでいき名前を呼び続け、悪夢を見ているだけだとわかったら一旦冷静さを取り戻す。とはいえ今この間もAが苦しみ続けているのを黙って見過ごすわけにはいかない。どうすればすぐに起こせるかを考え、一つムチをお見舞いした。一発で起きた。

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