11. ページ12
結局、完全に熱が下がるまで2日かかった。
その間、付きっきりでは無かったけれどお世話をした。
この前の一件があったので少し気まずかったけど、旦那様はもう気にしてないのか、特に何も言わずに自室でお休みになっていた。
病み上がりの月曜日。
今日は仕事に行くらしい。
『あの...大丈夫ですか？まだ休んでた方が...』
深｢...もう平気。熱も下がったし。｣
『そうですか...では、お気を付けて行ってらっしゃいませ。』
深｢...あぁ。...あの、さ...｣
『？はい。』
深｢...看病してくれて、ありがと。｣
『え！いえ、そんな...』
深｢それと...この前、言い過ぎた。手掴んだの、俺からだったんだね...ごめん。｣
『い、いえ！全然、大丈夫です！そのまま寝てしまった私が悪いので！旦那様は気になさらないでください。』
深｢...あー、まぁ、それだけ。じゃ。｣
『あ、はい。行ってらっしゃいませ...』
え、旦那様から話しかけられた...
初めてだ...
しかも、ありがとうって言って貰えた。
それに、この前の事も謝って...って、何で気付いたの？
...もしかして、この前の涼ちゃんとの電話聞かれてたのかな...
だとしたら申し訳ない！！
ワザと話してたと思われてないかな...
やっぱり自分の部屋で電話すれば良かった...
旦那様に余計な気を遣わせないようにしなきゃ。
でも、少しだけ旦那様と距離が近くなれたような気がして嬉しいな。
普通の夫婦みたいにはなれないと思うけど、顔を合わせる度気まずいのはしんどいし、普通の会話くらいは出来るようになりたい。
あ、でも、旦那様からの愛は求めてないという空気はちゃんと出しておかないとね。
きっと私の事は、そういう風に見てないと思うし。
私も別に望んでないし。
お互いの家と会社の為。それ以上でも以下でもない。
もう本当に愛する人との結婚は望めないけれど、それも仕方の無い事だと割り切って生きていくしかない。
旦那様だってそうなんだもの。
私だけがツラいわけじゃない。
『よし、頑張ろ。』
何度目か分からないその言葉を口に出して、今日も1日が始まる。
それにしても、どうして急にお礼を言ったり謝ったりしたのだろう。私の事は、良く思っていなかったはずなのに...と、一瞬考えてしまったけど、きっと気まぐれだろうと思い直し、また熱が出ていないか少し心配しつつ、いつも通り家事をこなした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1905人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちり(プロフ) - KAORIさん» コメントありがとうございます！もう少しで完結すると思いますが、最後まで読んで頂けると嬉しいです😊 (11月5日 22時) (
レス) id: a95f8123a0 (このIDを非表示/違反報告)
KAORI(プロフ) - キャー💜二人の気持ちが結ばれてめちゃめちゃ嬉しい！！私までニヤニヤしちゃいました♡ (11月5日 22時) (レス) @page46 id: 7e73bcd6e8 (このIDを非表示/違反報告)
ちり(プロフ) - skさん» ご意見ありがとうございます。善処します。 (11月2日 20時) (レス) id: a95f8123a0 (このIDを非表示/違反報告)
sk(プロフ) - ww使用しない方がいいのに。ネット民同士の会話みたい (11月2日 19時) (レス) @page43 id: 4e0eda8720 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちり | 作成日時：2023年10月4日 21時
