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それから、放課後までひかるから物凄く視線を感じたけれど、知らないフリをして過ごした。
いつもならこういう時中庭に行くんだけど、昨日の事もあってなかなか行きにくいから、大人しく教室にいる。
休み時間の度に、ふっかや翔太が何か言いたそうにしてたけど、こちらもあえて話しかけられないような雰囲気を出して過ごした。ごめん。
.
そして放課後。
HRが終わって、みんな一斉に教室から出て行く。
真「A、また明日ね!」
深「...じゃあ、また明日ね!」
渡「じゃあな。」
『あ、うん!また明日!バイバイ!』
岩「...A、俺、部活行くけど...」
『あ、分かった。ここで終わるの待ってる。』
岩「分かった。じゃあ、また、後で。」
『うん。』
真希とふっかと翔太とバイバイして、ひかるも部活へ向かうと言うので、このまま教室で待っていると伝えた。
『ひかる』
岩「?」
教室から出ようとしていたひかるを呼び止めた。
何を言われるのだろうかと不安そうなひかる。
表情を見れば、捨てられた子犬みたいな顔でこっちを見てくるから、ちょっとだけ可愛いと思ってしまう。
『部活、怪我しないように頑張ってね。』
岩「っ!うん!ありがとう!行ってくる!」
おそらく1ヶ月以上ぶりに私から話しかけたであろうその言葉が、否定的なものじゃなかった事で、さっきまでの捨てられた子犬みたいな顔が一気に笑顔に変わった。
そしてそのまま走って部活へと向かって行った。
...さてと。
どうやって話そうかな...
.
夢を見ていた。
大きな手が、私の頭を撫でてくれてる。
顔は見えなくて誰か分からなかったけど、とても安心出来て、心地の良いものだった。
あぁ、これがひかるだったら良かったのに...
ひかる...
...ひかる?
...!
『ひかるっ!!』
岩「うぉっ!びっくりした!!」
どうやら私は、ひかるを待っている間に寝てしまってしたようで、夢の中でひかるの事を思い出し、飛び起きた。
すると、目の前にめちゃくちゃ驚いてるひかるがいた。
『え、ひかる?』
岩「急に飛び起きるからめっちゃビビった...」
『あ、ごめん...』
岩「教室入ったら机に突っ伏して寝てるから、起こそうか迷ってた。」
『ごめん...』
岩「いや...」
そしてまた気まずい空気が2人の間に流れた。
.
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ちり(プロフ) - ワラビー餅さん» コメントありがとうございます😊あと少しで終わります。よろしけれ最後までお付き合い下さい✨ (3月31日 18時) (レス) id: a95f8123a0 (このIDを非表示/違反報告)
ワラビー餅(プロフ) - 凄い展開になって来ましたね。誤解解けると良いのですが (3月31日 18時) (レス) id: c0b26c55df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちり | 作成日時:2024年2月16日 20時