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岩「...ちょっと、来て」
『え?!ひかる?!』
深「あ、おい!」
ふっかと話していたら、急にひかるに引っ張られて人気の無い階段の方へ連れてこられた。
後ろでふっかが呼んでたけど、ひかるは無視して歩き続けた。
『っ、ひかる...ね、ひかる!痛い!』
岩「あ...ごめん」
ひかるに引かれた腕が痛くて呼び止めると、苦しそうな、泣きそうな、そんな表情をしたひかるがいて少し心配になった。
『どうしたの?急に...』
岩「...」
『っ!』
声をかけると急に目の前が真っ暗になって、ひかるの匂いに包まれた。
ひかるに抱きしめられているのだと気付いたと同時に、その力が強くて身体が痛くて、慌ててひかるに呼びかける。
『ひ、ひかる!痛いし、苦し...』
岩「あ...ごめん、つい...」
私が呼びかけると少し力を緩めてくれたけど離してはくれなかった。
『ねぇ...これって、どういう状況?』
岩「...Aは、ふっかが好きなの?」
『へ?』
岩「Aの好きな人!ふっかなの?」
『え、何で?』
岩「だって...何かふっかと距離近いし...さっきだって腕に抱き着いて喜んじゃってさ...」
『まさか、それだけで私がふっかを好きだと?』
岩「それだけって!俺は...やだったの。」
『もしかして、1人だけ仲間はずれにされたみたいで寂しかったの?可愛いじゃん(笑)』
岩「...あー、もう!違う!そうじゃない!」
『え?違うの?』
岩「本当は、まだ言うつもり無かったんだけど...」
『ん?』
岩「Aが好き。付き合って。」
『...えっ?!え、本当に言ってる?えー...』
どうやらひかるは私がふっかを好きだと思ったのと、距離が近かった事が嫌で連れ出したらしい。
しかも告白までされた。
けど...私はひかるをそういう風に見てなくて、友達以上には見れない。
『ひかる、ありがとう。私の事、好きになってくれて嬉しいよ。私もひかるの事、好きだし。』
岩「!じゃあ、『でもね!』」
『私の好きは、ひかると同じじゃない。』
岩「え」
『ひかるの事、友達以上に見れない。だから...ごめん。』
岩「...他に、好きな人がいるの?」
『...いないよ。そういう理由で断ったわけじゃない。』
私が断ると、ショックを受けた顔をしたひかる。
その顔を見たら少し心が痛んだけど、仕方ない。
でもひかるは...
岩「なら、これから俺の事、好きにさせればいいよね?」
とても前向きだった。
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ちり(プロフ) - ワラビー餅さん» コメントありがとうございます😊あと少しで終わります。よろしけれ最後までお付き合い下さい✨ (3月31日 18時) (レス) id: a95f8123a0 (このIDを非表示/違反報告)
ワラビー餅(プロフ) - 凄い展開になって来ましたね。誤解解けると良いのですが (3月31日 18時) (レス) id: c0b26c55df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちり | 作成日時:2024年2月16日 20時