[KEN]僕らの記念日 ページ4
*
ここは人々が行き交う遊園地。
「A!どう?楽しい?」
「うん、遊園地で久しぶりにはしゃいだ気がする」
「僕もだよ〜少し疲れたね」
「本当にね…って、ちょっ」
話していると急に手を引っ張って方向転換するジェファン。
何事かと思っていたら、私のために空いているベンチを見つけてくれたのだった。
「ちょっと休憩」
「ジェファナありがと」
「いいんだよ」
にこにこと笑う彼につられて笑顔になってしまう。
僕は近くにいる人を笑顔にする才能があるんだ!
…と彼が自分で言っていたのを聞いたことがある。
「あのね、A」
「ん?なに?」
にこにこしていた彼が急に静かにしゃべり始めた。
なんだろうこのドキドキする感じ。
「僕、恋人としたいことがあって…」
「う、うん」
「…観覧車、乗りたいなって…」
別にそんなに照れることじゃないのに、ちょこっと赤くなってるジェファン。
「…乗ろう?ふふ」
「やった!…笑わないでよ〜」
またにこにこしたいつものジェファンに戻ったようだ。
私は立ち上がってジェファンに手を伸ばした。
「じゃ、行こっか」
「うん!」
彼が手をつないでぶんぶん振りながら歩く。
観覧車の乗り場に着いてみるとあまり人は並んでおらず、すんなりと乗り込むことができた。
「わ、高いな」
景色を見たり、他愛のない会話をしているうち、あっという間に頂上へ近づいてきた。
これは…恋人がするあの流れなのかな…
ドキドキして落ち着かなくなってしまった。
「A」
「…っ、なに?」
「あれ、どうしたの慌てて」
「いや、別に…」
…私ったらつい変な事を考えてしまったようだ。
気を紛らわすために後ろの窓を見た。もう10秒ほどで頂上だろう。
なるべく普通に振舞わなきゃ。
「ねぇ、こっち」
「ん、なに……」
不意に呼ばれて振り返ると、目の前にはジェファンが。
声も出ず、驚いているとゆっくり唇が触れ合う。
頂上を通過する数秒がとても長い時間に感じられた。
「びっくり?」
「…うん」
頷くことしかできなかった私はコクリと首を上下に振る。
あつくて顔を手であおごうとしたら、彼も同じ事をしようとしたので二人して吹き出してしまった。
「今日は僕らの記念日!」
「え?」
「観覧車記念日〜」
「ふふ、いいねそれ、また来年もここに来ようよ」
「もちろん」
私たちの新しい記念日は、誰にも邪魔されない、この場所だけで迎えられる特別な記念日。
_end.
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海漓(プロフ) - ハニ☆さん» 嬉しい言葉、ありがたいです(^○^)リクエストもありがとうございます、良いものにできるよう頑張りますね! (2015年4月5日 18時) (レス) id: 4f2ce2f638 (このIDを非表示/違反報告)
ハニ☆ - はじめまして!いつも楽しく読ませていただいています^^ うぉんしくより93よりおるペン(←ややこしいですねw)なので、今回のキャンディはすごく嬉しかったです! リクエストですが、うぉんしくとのデートの話を書いていただきたいです^^ これからも頑張ってください! (2015年4月5日 17時) (レス) id: f6893e5e5d (このIDを非表示/違反報告)
海漓(プロフ) - こころさん» 了解しました!出来る限り頑張ります(^-^)/ (2015年4月5日 2時) (レス) id: 4f2ce2f638 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 海漓さん» はい!そんな感じで!お願いします! (2015年4月5日 1時) (レス) id: 1cf250b8c9 (このIDを非表示/違反報告)
海漓(プロフ) - こころさん» ありがとうございます(;Д;)えぇと、別れた彼女が忘れられない…的な感じでしょうか← (2015年4月5日 1時) (レス) id: 4f2ce2f638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海漓 | 作成日時:2015年3月22日 1時