天気雨;01 ページ39
『……そういや、結局、Aの海楼石のチョーカーの謎は解けずじまいだったな』
ふとマルコはそう思った。
Aも今年で15歳。今では白ひげ海賊団の末っ子として皆に可愛がられている。親父も末っ子たるAには俺たちと比べると甘い。
『…まぁ、考えても仕方ねぇよい。もう一度Aに聞いてみるか…』
マルコは甲板で夜風に当たろうと、部屋を出る。どうやらもうすぐ日をまたぐらしい、自分の思っていたより長い時間部屋で仕事をしていたようだ。
――ふと、甲板に人の気配を感じた。
「………誰だ？」
「………マルコ………？」
雲が動き、月明かりが甲板全体を照らす。月光に透ける白銀の髪が夜風に揺れる。
「………なんだ、Aかよい」
「…やっぱりマルコだ」
へへとAが笑った。
「…………何してんだよい」
「だって、月が綺麗だったから起きちゃった」
マルコはため息をつく。何気なくAの首元が目につく。
「…A、チョーカーはどうした…？」
確かいつも首に枷のようにつけていた海楼石のチョーカー。本人が外すことを怖がり、つけたままだった。
「…………もう、隠さなくてもいいかなって」
「どういう意味だよい」
マルコの問いには答えずAは船縁の上に立つ。
「……っ！このバカ！危ねぇ！！！」
マルコが手を伸ばすが、それは空を切った。
Aの身体は”宙に浮いていた。”
「………黙っててごめん。本当は、悪魔の実の能力、使えるんだ…」
Aの身体から、青白い稲光が走る。左手と右足は鋭い爪の生えた獣の脚に変わる。白銀の髪からは犬のようなうさぎのような耳が生えていた。
「…………おまえ、それ、……」
「……僕は、記憶にもないぐらい小さい頃に悪魔の実を口にした。…動物系幻獣種モデル”雷獣”」
「………いつから、使えてたんだ？」
「使いこなせるようになったのはわりと最近、……でも、怖かった……から。みんなになんて言われるか分からないし…」
Aはポケットからチョーカーを取り出して首につけた。すると、稲光の勢いはおさまっていく。
「………マルコやエースなら、信じられるから」
「…………触っていいか」
マルコはそっといまだ稲光の走るAの手を掴む。
「………すげぇよい。さすが、俺たちの末っ子だ」
「…黙ってたから親父どのに怒られちゃうかな……」
「その時は一緒に怒られてやるよい」
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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます！夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT｀)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (
レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです！！夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉うさぎ | 作成日時：2021年10月3日 12時
