夕立;24 ページ36
ナースが嘲笑うかのように唇をつり上げる。
「……あの子が悪いのよ…！」
「は？」
マルコとエースが目を見開く。
「あの子が来てから、マルコ隊長、あなたは私に見向きもしなくなった…！…口を開けば、A、A！私のこといいって言ってくれたじゃない！！なのに、まるで、私のことなんてどうでもいいみたいな態度をとってきたじゃない！！」
叫ぶようにナースは言葉を続ける。
「私の事、愛してたんじゃないの！？」
「―――愛してたよい」
「それなら！あの子のことなんて放っておいて、私を見てよ！！」
「……それは出来ねぇよい」
マルコは絞り出すようにけれどキッパリと言った。
「………なァお前、そんな理由でAのこと殴ったのか？」
エースの言葉にナースが金切り声のように叫ぶ。
「そんな理由ですって！？エース隊長！あなたに何が分かるのよ！！私は、部屋に入れないくせにあの子は簡単に入れるじゃない！どうしてよ！！」
「……だからって、殴っていい理由がどこにある？まだ子供なんだよ、Aは！あいつは危うく死ぬところだったんだぞ！！当たりどころが悪かったら確実に死んでた！」
エースが怒りながらも悲しそうな顔をする。
「…それでも！それでもあいつは優しいから、どうしようもねェぐらい他人ばかり優先させるから！自分が悪かったかもしれない、殴られるような理由があったかもしれないって、そういうんだ……」
「……あの子を放っておくなんて出来ねぇよい」
マルコはまっすぐナースを見つめる。
「……やっと、年相応の笑顔を見せてくれるようになったんだよい。Aに今すぐにでも必要なのは家族から大事にされてんだっていう自覚だ。……あの子を放っておく？ふざけんじゃねぇよい、Aを放っておいたりしたら、すぐにあの子の心は壊れちまう」
――――Aがそれぐらい大事なんだ。
「エースの言う通りだよい。そんな理由で子供の頭を血が出るほど殴っていいわけがねぇ。大人のお前がなんでそんなことも分からねぇんだよい！…………出てけ、今すぐにこの船から降りろ。…親父の意見なんて聞くまでもねぇよい」
低い声でマルコは言い放った。
―――――結局、そのナースは近日中に船を降ろされることが決定した。家族に手を出したことが白ひげの逆鱗に触れたのか話し合うこともなくそのナースの処分が決定したことに、誰も意見するものはいなかった。
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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます！夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT｀)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (
レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです！！夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉うさぎ | 作成日時：2021年10月3日 12時
