夕立;07 ページ19
「悪ぃな、サッチ。今日1日、Aのこと預かってくれねぇかい？」
朝っぱらからマルコはAを連れて、サッチのいる厨房に顔を出した。
「おう、どうした？」
「いや実は今日は、他の隊長連中とうちの
「エースは？」
「親父の使いで夜まで戻らねぇ」
なるほどとサッチは頷く。Aが特に心を許しているのがこの3人なので仕方ないだろう。もちろん他の隊長連中がAを手酷く扱うなどということは絶対ありえないだろうが、他のやつに任せるのは心配である。
「いいぜ、兄弟」
「恩に着るよい、サッチ」
Aはマルコがいなくなると黙って厨房の椅子に座る。
「サッチ、あの…」
「んー？どうしたA？」
「なんか…その、ごめんなさい…。僕、ここにいると迷惑でしょう……？」
困ったようにAは笑う。
「誰かに言われたのか？」
「違う、けど」
「じゃぁ、どうしてそう思うんだ？」
我ながら意地悪な聞き方をしていることはサッチも承知している。
「マルコが、困った顔してた…」
「…………あー、そういうことね」
サッチは昼食の仕込みをするのに棚を確認しながら口を開く。
「それはな、A。マルコは、困ってるんじゃなくて、心配なんだよ」
「………心配？」
「お前をもうあんまり泣かせたくないんだよ。怪我だってまだ完治してねぇし、無理はさせられねぇからな」
サッチはAを振り返ってにっこり笑う。
「きっとお前目の前にしたら、絶対アイツは言わねぇだろうけど、マルコは笑ってるお前が好きなんだと」
キョトンとした顔をしているAを見てサッチが吹き出す。
「ふ、ははははっ、なんだよ、その顔」
「だ、だって、…僕は、」
『………怪我が治ったら、マルコもエースも、みんなかまってくれないんじゃないか』
―――――今こうやってみんなが優しくするのは僕がけが人だからだ。
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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます！夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT｀)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (
レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです！！夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉うさぎ | 作成日時：2021年10月3日 12時
