初音;01 ページ2
乱暴に足で蹴るように開けられたドアにマルコは目を向ける。
「ったく、これに懲りて反省しろよ」
「やーだよーだ」
エースに抱えられるように歩いてきたのは1番隊副隊長のAだった。
ふわっとしたくせ毛の銀髪。白い肌に青みがかかった銀の瞳。中性的な容姿をしていた。
「何してんだい？」
「ね、見てよ！この顔！」
Aが自分の顔を指差す。
Aの顔は何事かあったような状況になっていた。
左頬には赤く腫れ上がった手形。右頬も腫れていて、唇の端から血が滲む。
「エース、これはどういうことだよい」
「見ての通りだ。酒場で大喧嘩かましてきた。…まァ、元凶はAだけどな」
「僕じゃないよ！いや僕だけど！でもビンタとグーパンはないじゃん！！！」
涙目でAが反論する。
「はぁ……とりあえず一から説明してくれよい」
「こいつの悪い癖が出たんだよ」
Aには悪癖がある。それは『酒場でナンパをしまくる』というものだ。それも見境がねェ。
「たまたまナンパした女の子がね、もうすでに連れがいたんだよ。で、」
「ここまで聞いたら分かるだろ？マルコ。そのまま『何、人の女に手ェ出してんだ』って、相手の男にグーパンくらった」
エースが呆れ返ったようにAの言葉を続ける。
「その見事なビンタは？」
「その女の子ナンパしてたら、前にナンパした女の子に『この、浮気者っ！！』って平手打ち。いやぁ、あれは見事なビンタだった」
呆れ返ってマルコは頭を抱える。
「バカすぎて同情する余地がねぇよい」
マルコはそう言って救急箱をあさる。
「お、いたいた」
医務室に入ってきたのはサッチだ。
「いやぁ、見事なビンタだなぁ〜。ほい、これ氷嚢」
サッチが投げた氷嚢をAは受け取り頬にあてる。
「悪ぃな、サッチ」
「いや別にいいけど。Aのそれ診てやったら？」
「……うげ、口から血の味する」
Aが顔をしかめる。
「どこだよい」
「……んー、ここ」
あー、とAが口を開くと確かに血が出ている。
「殴られた時に切れたんだろい。まったく、お前は……」
呆れつつ、手早くAの唇に絆創膏を貼る。
『……ほんとに昔っから変わらねぇよい、こいつは…』
Aは昔もこんなことあったなと苦笑いを浮かべた。
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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます！夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT｀)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (
レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです！！夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉うさぎ | 作成日時：2021年10月3日 12時
