滅茶苦茶な俺と ページ20
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(TH side)
やっぱりいた。
TH「お姉さん」
「、ブイさん?」
荒々しく楽屋の扉を開けた俺に、顔を上げて目をぱちくりさせたお姉さん。その勢いのまま近づいていって
「イッ!、」
俺はお姉さんの腕を掴み椅子から引っ張りあげて、横の壁にそのまま押し付けた。
肩を強くぶつけるお姉さん。
痛そう、ごめんなさい。
でもなんだか俺は止まらない。
TH「お姉さんはさ、いつもここで何してるの?」
「わたしは皆さんのメンタルケアを任さ」
TH「そんなの聞いてないんだけど」
滅茶苦茶だ、
TH「何をしたの?」
「?」
TH「ヒョンとジョングガに、何したの?」
「わたしはただ二人の話しを聞い」
TH「そんな訳ないだろ!!!!!」
滅茶苦茶だよね、俺。
なんでなんだろう、お姉さんを見てると苦しくて、わけも分からず、泣きそうになる。大きな、何か見えないものに包まれる。でも俺を包んでるはずのその何かは、気づけば俺の中にいて、ひとりでに大きくなっていく。
その正体がわからなくて、俺はどんどん苦しくなっていく。その苦しさをどう分散させればいいかわからなくて、俺は身体が動く。
「きゃっ、」
壁に肩をぶつけたまま拘束されていたお姉さんを、俺は反対側に引っ張って、床にぶん投げた。
こっちを見上げるお姉さんはやっぱり無表情だけど、なんだか俺に怯えている気がした。
うずくまるお姉さんに俺は手を差し出す
TH「見てこの爪」
「....噛まれたんですか」
TH「うん、俺お姉さんを見てるとイライラしてきちゃって、気づくと爪を噛んでるの」
「....」
TH「聞いてる?」
「はい」
TH「はいじゃないでしょ」
「すみません」
俺はお姉さんの二の腕あたりを、また強く握る。
「っ....」
初めて見る、無表情ではない、痛みに歪んだ顔。
だけどお姉さんは、それでも真っ直ぐ俺を見る。
なんなの?その態度。
俺に一切反発してこない、全てを聞き入れようとしてる、その体制。
TH「ッ、」
俺は腹が立っているのか悔しいのかもわからず、昂ったままお姉さんの腕を握る手に力を込める。見た目以上に細いお姉さんの腕、このままへし折ってしまえば、お姉さんはしばらく姿を見せなくなるだろうか。
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ねねね(プロフ) - 作品を読んで、とっても感動しました。同時にとても救われました。途中に出てきた「Lights」の歌詞も心に響きました。こんな素敵な作品を作ってくれてありがとうございます!どっから目線だよと思うかもしれませんが、本当にありがとうございました! (2020年9月20日 0時) (レス) id: 0c340b5360 (このIDを非表示/違反報告)
笹貝(プロフ) - みーさん» みー様、いつもケアのお姉さんを楽しんで頂いてありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ございません。お姉さんの続編やっと準備できました。引き続き楽しんで頂けるといいのですが...いつもありがとうございます。続編も頑張ります! (2019年12月20日 19時) (レス) id: 3cb0d39a45 (このIDを非表示/違反報告)
笹貝(プロフ) - はんさん» コメントありがとうございます、返信が遅くなってしまい申し訳ございません。お姉さんは悪い人ではないです、ただ寂しい過去を抱えている人だと思ってあげてください。続編も、引き続き楽しんで頂けたら幸いです。コメントありがとうございました。 (2019年12月20日 19時) (レス) id: 3cb0d39a45 (このIDを非表示/違反報告)
笹貝(プロフ) - Agust dさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ございません。嬉しいお言葉、励みになります。お姉さんは悪い人ではないのでご安心頂けたらと思います。引き続き、楽しんだいただければ幸いです。コメントありがとうございました。 (2019年12月20日 19時) (レス) id: 3cb0d39a45 (このIDを非表示/違反報告)
みー - これは続編を期待してもよろしいのでしょうか?私もテテと同じようにお姉さんを待ちますね!もしお姉さんが帰ってこなくても(続編がでなくても)それが運命なので、お姉さんらしい終わり方だったなと とても素敵な思い出をありがとうございます。 (2019年12月17日 21時) (レス) id: 0f8689e1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹貝 | 作成日時:2019年12月5日 14時