俺を映す瞳 ページ15
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(JK side)
衝動に身を任せて彼女の身体を掻き抱いた俺は、誰にでもわかるような、情けないSOSをぶつけた。
「救い出せるかどうかはわかりませんが、」
彼女は顔を上げて、
「ジョングクさんが聞いてほしいことがあるなら、何でも聞きます」
綺麗な瞳が俺を映す。
張り詰めていたものが、弦が切れたかのように
俺は彼女をまた抱きしめて、泣いた。
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ホビヒョンの言った通り、
彼女は自分からは何も言って来ない。
俺も何も言っていない。
ただ、ぐずぐず彼女の上で泣いていた。
片腕だけ後ろに回して、子供を寝かせる時のような優しさで、俺の背中をトントンするAさん。
どれくらいそうしていたかわからないが、彼女はずっと俺の腕の中で、背中を叩いてくれていた。
泣いただけ、こんなにスッキリするもんなんだ。
途端に冷静になった頭が、この状況に怯え始める。
JK「(ど、どうしよう)」
「?....落ち着きましたか?」
JK「あ、はい」
オロオロしだした俺に何事も無かったかのように話しかけてきた彼女を、俺は腕の中から解放する。
「足痛そうですね、どうぞ」
彼女はいつも自分が座っている椅子ではなく、大きめの柔らかい椅子を押してきてくれた。
JK「あの、」
「はい」
JK「俺、最近怖くて」
「はい」
Aさんの気遣いにお礼をすることも忘れ、俺は最近の不安や、身に覚えのないスキャンダル、周りの対応の変化、プライベートがなくなるストレスや、空回ってきっとヒョンを傷つけたこと、全てをAさんに話した。
「はい」
聞いていた通り、本当に返答以外、何もAさんは発さない。
それでも、俺の口は止まらない。
話したこともないくせに、彼女がどんな人かもわかっていないくせに。
でもまるで初めから、彼女が全て受け入れてくれることを確信していたみたいに。
なんでだろう、彼女に見つめられて、その綺麗に抜ける はい という音を貰っているだけなのに、汚いものがどんどん身体から抜けていき、人間としての心を俺は取り戻しているような感覚を覚えた。
JK「今まで、すみませんでした」
「といいますと、?」
JK「挨拶もしてなかったし、失礼な態度取ってしまって...」
俺の言葉に、彼女はあぁ、とつぶやくと
「気にしてません。気にしないでください」
俺はまた深い安堵感に包まれ、どこか暖かいところに沈んでいった。
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ねねね(プロフ) - 作品を読んで、とっても感動しました。同時にとても救われました。途中に出てきた「Lights」の歌詞も心に響きました。こんな素敵な作品を作ってくれてありがとうございます!どっから目線だよと思うかもしれませんが、本当にありがとうございました! (2020年9月20日 0時) (レス) id: 0c340b5360 (このIDを非表示/違反報告)
笹貝(プロフ) - みーさん» みー様、いつもケアのお姉さんを楽しんで頂いてありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ございません。お姉さんの続編やっと準備できました。引き続き楽しんで頂けるといいのですが...いつもありがとうございます。続編も頑張ります! (2019年12月20日 19時) (レス) id: 3cb0d39a45 (このIDを非表示/違反報告)
笹貝(プロフ) - はんさん» コメントありがとうございます、返信が遅くなってしまい申し訳ございません。お姉さんは悪い人ではないです、ただ寂しい過去を抱えている人だと思ってあげてください。続編も、引き続き楽しんで頂けたら幸いです。コメントありがとうございました。 (2019年12月20日 19時) (レス) id: 3cb0d39a45 (このIDを非表示/違反報告)
笹貝(プロフ) - Agust dさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ございません。嬉しいお言葉、励みになります。お姉さんは悪い人ではないのでご安心頂けたらと思います。引き続き、楽しんだいただければ幸いです。コメントありがとうございました。 (2019年12月20日 19時) (レス) id: 3cb0d39a45 (このIDを非表示/違反報告)
みー - これは続編を期待してもよろしいのでしょうか?私もテテと同じようにお姉さんを待ちますね!もしお姉さんが帰ってこなくても(続編がでなくても)それが運命なので、お姉さんらしい終わり方だったなと とても素敵な思い出をありがとうございます。 (2019年12月17日 21時) (レス) id: 0f8689e1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹貝 | 作成日時:2019年12月5日 14時