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「ん……」




下半身に広がる気だるさを感じながら

ゆっくりと目を開けた。

素肌にシーツを絡ませながら、ゆっくりと

顔を隣に向けると、ふたつ並んだほくろがあって

その無防備な寝顔に、思わず笑みがこぼれた。







「…おはよ、拓ちゃん」

「……A…?」



窮屈そうに背中を丸くした拓也が

寝ぼけ眼のまま私を抱き寄せ、私が抵抗しないのを

良いことに、昨日よりずっと強く、ぎゅうぎゅうと

抱き締めてくる。苦しいけど、この苦しさが心地良くて

もう…って言いながらも、抵抗したりはしなかった。








「…このベッド、…すき」

「狭いって言ってたのに」

「だって…手ぇ伸ばしたら、すぐ捕まる」




Aが。って、ふにゃふにゃの声で言うから

今はどちらかといえば、可愛い。の方が勝ってて

胸のときめきが、止まらなかった。







「…拓也、」

「んん…」

「拓ちゃん、」

「んー…」

「…甲斐くーん」

「…」





…もしかして、二度寝?と、思ったけど

名前を呼ぶたびに、ぎゅ。ぎゅ。って、

まるで腕の力で返事してるみたい。








「起きないとご飯作れないよ」

「……もーちょい」

「もー…」





















──…本当に、本当に、幸せだった。

この小さなベッドで、窮屈そうに眠る拓也が

とってもとっても、愛おしかった。









(──…なのに今は、とても広く感じるの)







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04「溢れていた」→←03「他愛もない話」



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千花(プロフ) - ゆみさん» コメントありがとうございます♪♪これからも頑張りますね!お時間のある時にお付き合い下さい(^-^) (2018年5月2日 13時) (レス) id: 0df86c7d6a (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - 更新頑張ってください。応援しています。 (2018年5月1日 9時) (レス) id: 2656059692 (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - 凛*.さん» 読んで下さりありがとうございます!凛さんの心を動かすことが出来て嬉しいです…!一気に書き上げたので不安があったのですが、感想をいただいてホッとしました(o^^o) (2018年4月26日 13時) (レス) id: 0df86c7d6a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - コメント失礼します´`*読みながら胸がジーンとして、最後のシーンで涙が出ました( ; _ ; )繊細な表現もとっても素敵でした!!完結、お疲れ様です^^ (2018年4月25日 22時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千花 | 作成日時:2018年4月24日 13時

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