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メインスタジアムの出入口まで、後数メートル。

定位置で足を止めた白石さんの腕を何で俺は、

…どうして俺は、引っ張ったり、したんだろう、








「っ、?!」

「終わったら、待ってて」

「え…」

「先に帰んのナシね、…Aちゃん」







毎朝、彼女のことを親しげに

Aちゃん、って呼ぶ奴らが

羨ましくなかった。と言えば、それは、

…それは、嘘になる。




本当は羨ましくて、

呼んでみたくて、

…自分でも何でこのタイミングだよって思ったけど。





どこで、って言わなくても、

何時に、って伝えなくても、

きっと彼女なら、…Aちゃんなら、分かってくれる。



そんな淡い期待を込めつつ、ぱ、っと手を離す。

帽子を目深に被ってる上に俯かれたら、

彼女が今どんな顔してるかなんて分からないけど、

拒絶なんかされない。って、そう思えるのは何でだろう。






「……」

「──…じゃ、また後で」






こくん。って、頷いたのを、見逃さなかった。

何だか急に気恥しくなって、それを誤魔化すように

持ってたグローブでぽす。っと小突く。









(……はっず、)




白石さ……Aちゃんと別れて、

スタジアムに出るまでのほんの少し薄暗い通路を歩く。




ナチュラルにAちゃん、なんて呼んだけど

そう見えたかもしれないけど、実際は結構、

…結構、緊張した。







「…ん、…さん、」

「はぁ……」

「…巨さん!」



突然、いや、恐らく前から呼んでたらしい。

いつの間にか隣にいた拓也の存在に気付くと

思わずびくりと、肩が跳ねた。





「どうしたんですか、ぼーっとして」

「いや、別に何も」

「何か良い事ありました?」






何で、って顔をしたら

最近の巨さん、何か楽しそうです。って、









「まぁ……うん、」









…楽しいよ、めちゃくちゃ。

その理由はもう、考えなくても分かってる、








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千花(プロフ) - くろださん» コメントありがとうございます...♪*゚実はそこを大切にしていたので、そう言ってもらえて嬉しいです...!最後までどうぞよろしくお願いします♪♪ (2018年4月16日 12時) (レス) id: 0df86c7d6a (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - ★☆Lily☆★さん» コメントありがとうございます...♪*゚巨くん、本当に素敵ですよね...!出来るだけ巨くんのイメージを壊さないように、大切に書いていきたいです。最後までよろしくお願いします* (2018年4月16日 12時) (レス) id: 0df86c7d6a (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - ゆきピノ♪さん» コメントありがとうございます...♪*゚頭をフル回転させて完結まで頑張ります!良かったら最後までお付き合い下さい(´˘`*) (2018年4月16日 12時) (レス) id: 0df86c7d6a (このIDを非表示/違反報告)
くろだ(プロフ) - はじめまして!いつも更新楽しみにしています!!なおさんはもちろんですが、まわりの選手たちに応援されてるのもすっごく嬉しくて!本当にこのお話が大好きです!!今後の更新もとても楽しみにしています! (2018年4月14日 23時) (レス) id: 1cf6ee72dc (このIDを非表示/違反報告)
★☆Lily☆★(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく読んでます♪巨くんとってもカッコいいですよね!私も巨くん大好きです(*^^*)千花さんの書く巨くんもとっても素敵です☆彡これからも頑張ってください!!! (2018年4月13日 23時) (レス) id: 8ca024d698 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千花 | 作成日時:2018年3月5日 8時

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