その声が僕を呼んだなら

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(you side)









「…返事は？」

「え…」

「明日。…会えない？」






さっきよりもずっと、ずっと、

近くで聞こえた東浜選手の声。


その声があまりにも優しくて、

もっとずっと、聞いていたくて、





ぽす。って、頭に感じた微かな重み。

風に飛ばされた帽子を被せてくれたって

頭で理解するのに、少し時間を要した。


そのくらい、今の私の頭の中は

目の前でおんなじようにしゃがみこむ

東浜選手でいっぱいなんだと、痛感した。









明日は、キャンプもお休み。

つまり、私も休みだ。








相手がプロ野球選手だから、とか

どうせ実るはずのない恋なんだ、とか

…今はそんなの、どうでもよかった。









「…明日、大丈夫、です」









東浜選手に、会いたい。

それが今の私の、素直な気持ちだった。









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(〜〜…っどうしよう…！)







帰宅してすぐ、クローゼットを開けた。

東浜選手に会いたい。って、それは確かに

間違いなく、私の正直な気持ちなのだけど、

つ、…つまり明日って、…デート、ってこと、だよね？









(どんな格好したら良いの…！！)






普段の私はといえば、専らジーンズ。

可愛らしい服なんて一着もない。…どうしよう、

明日って、……そもそも明日、何するんだろう。







「…聞いてみよう、」





スマホを手に取り、LINEを開く。

“ 明日、何をするんですか？ ”…と。送信。

…あ、すぐ既読がついた。ただそれだけなのに、

どきりと、心臓が跳ねる。…まるで中学生みたいだ。







“ ドライブしよ ”




レンタカー借りる。と、続いたメッセージ。

運転してる姿も格好良いんだろうなぁ。なんて、

そんな想像をしてしまったのは勿論、内緒。








(楽しみ過ぎて、眠れないかも)







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